
韓国ゲーム大手クラフトン(KRAFTON)が、人工知能(AI)や映像コンテンツといった非ゲーム領域への事業拡張を加速している。しかし、本業であるゲーム事業では依然として『PUBG(PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS)』への依存が続いており、新たな収益源の育成が急務との指摘も出ている。
クラフトンは12月、ショートフォーム(短編)動画プラットフォーム企業「スプーンラボ」の株式約12万株を追加取得すると公表。取引額は約189億ウォン(約21億円)で、取得完了後の出資比率は42.67%となる。
同社は音声SNS「Spoon」を手がけ、近年は短編ドラマ特化型OTT「Vigloo」も展開。クラフトンは昨年、同社に1200億ウォン規模の出資をしていた。
一方、AI分野への投資も本格化している。12月15日には、Slack上で動作する個人向けAIエージェント「KIRA」をオープンソースとしてGitHubで公開。自然言語での命令によって文書作成やスケジュール管理が可能なAIアシスタントだ。
さらに、ゲーム開発や生成AI分野の人材採用も強化。ネットマーブルの元CTOでAI・テック部門を率いたソル・チャンファン氏が「スタジオサポート本部長」としてクラフトンに加わり、AI技術の高度化を担当。
加えて、ネイバークラウドで生成AI「ハイパークローバX Think」開発を指揮したクァク・ドンヒョン氏も合流し、ヒューマノイドロボット開発に取り組んでいるという。
一方、ゲーム本業では新作タイトルの空白が長期化。依然として『PUBG』関連の売り上げ比率が高く、事業の多角化が急務とされている。
来年には新作『パルワールドモバイル』と『サブノーティカ2』のリリースが予定されているが、いずれも当初のスケジュールから延期されており、『サブノーティカ2』に関しては開発元との法的トラブルもあり、発売時期が不透明との見方が出ている。
また、今年3月にアーリーアクセス版がリリースされた生活シミュレーションゲーム『inZOI』は、リリース初期には同時接続者数約8万7000人を記録したが、現在は平均1500人まで落ち込み、期待に応えられなかった。
さらに、今月登場した競合タイトル『バトルフィールド6』の影響で、『PUBG』の利用者流出も懸念されている。PC版『PUBG』のSteam月間アクティブユーザー数は、8周年イベントがあった3月(約135万人)を除けば、年間を通じて70万~80万人台で推移している。
韓国証券業界では、クラフトンの成長持続には『PUBG』に匹敵する新たなIP(知的財産)創出が不可欠との見方が強まっている。キウム証券のキム・ジング研究員は「持続的な成長のためには、『PUBG』に匹敵するレベルの新規IPの開発が必要だ。新作開発や投資方針の全面的な見直しが求められる」と指摘した。
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