
韓国の地域密着型の求人情報アプリ「タングンアルバ」で、未成年を対象に仕事内容や目的を明らかにしないまま高額な報酬を提示するアルバイト求人が掲載され、犯罪に悪用される可能性への懸念が高まっている。
韓国IT業界関係者によると、最近同アプリには「明日、ソウルに一緒に行ける方」というタイトルの投稿が掲載され、当日支給で20万ウォン(約2万2000円)の報酬が提示された。
投稿主は業種を「お使い・軽作業」としており、仕事内容については「簡単な荷物の移動」「一緒に行って用事を済ませて戻るだけ」とのみ記載。さらに「2007年生まれ(満18歳)や今年高校卒業生を優遇」と明記していた。
該当の投稿は犯罪や違法性を直接示すキーワードが含まれておらず、自動フィルタリングを回避して掲載されたとみられる。掲載後、1800回以上の閲覧を記録し、ユーザーからの通報を受けて非表示措置が取られた。
仕事内容は確認されていないが、「不明瞭な業務内容」「相場を大きく上回る報酬」といった点から、詐欺や性犯罪などへの加担を誘う恐れがあるとの指摘がある。
SNSなどでは「ボイスフィッシング(振り込め詐欺)の“受け子”募集ではないか」「性的な目的が隠れているのでは」といった憶測が広がっている。
タングン側は「不適切な投稿についてはAIによるキーワード検出やユーザーの通報により非表示にしている」としているが、事前の完全遮断は困難だという。
実際、タングンは中古取引掲示板で「一時的にペットを預かる」という名目で人を集め、ペットを遺棄する事件が発生したことを受け、該当ジャンルの投稿を禁止する仕組みを導入した。
現在ではペットの預かりに関して投稿すると、運営ポリシー違反として掲載できない仕様となっている。
一方、アルバイト掲示板ではAIによる検出に加え、ユーザー通報と有人監視(手動チェック)により、不審な投稿を掲載後に削除・非表示とする対応にとどまっている。
タングンの広報担当者は「アルバイトの募集チャット中に、外部アプリへの誘導や犯罪・詐欺につながる恐れのあるキーワードが検出された場合、即座に警告メッセージを表示している」と述べた。
独自開発の大規模言語モデル(LLM)によるチェックを導入し、異常検知があれば手動での監視も追加実施しているという。
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