
韓国で近年、子どもが高齢の親に暴力を振るって死亡させる「尊属犯罪」が相次いでいる。専門家たちはその要因として「高齢者の扶養に伴う心理的・経済的負担」を指摘。高齢者虐待の予防教育や心理カウンセリングの制度的支援が必要だと訴えている。
ソウル・九老(クロ)警察署は12月10日、70代の母親を死なせたとして40代の息子と娘を緊急逮捕した。2人は理由について「母親の認知能力が低下していたため」などと供述した。
また14日には、京畿・龍仁市(キョンギ・ヨンインシ)で50代の息子が80代の母親を虐待していた事件が発覚。警察はこの息子を尊属暴行致死および高齢者福祉法違反の疑いで逮捕した。
暴行は1カ月以上続いていたとみられ、息子は「母親が薬や食事をきちんと取らなかったため」と供述した。
警察庁によると、尊属殺人事件は2022年に48件、2023年には59件起き、2024年には60件に達した。その背景について、専門家たちは共通して「介護に対する家族の負担」が原因だと指摘する。
梨花(イファ)女子大学社会福祉学科のチョン・スンドゥル教授は「長寿化が進み、高齢者の介護に家族が疲弊している。言葉による虐待から暴力へと発展する場合が多い」と分析した。
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