2025 年 12月 24日 (水)
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韓国、再使用型ロケットに本格着手…2032年に月面着陸ミッション

写真は記事の内容とは関係ありません(c)AFP/news1

韓国政府が宇宙輸送コストの大幅削減に向け、再使用型ロケットの開発に本格的に着手することが明らかとなった。これにより、米スペースXに続く低コスト宇宙輸送の新たな道が韓国にも開かれそうだ。

韓国企画財政省は12月22日、次世代発射体(ロケット)の設計を再使用型に転換する案を承認した。事業予算は当初より2788億ウォン増額された2兆2921億ウォンとなり、2031年に初飛行、2032年には月面着陸ミッションに挑む。

次世代ロケットは、韓国初の純国産ロケット「ヌリ号」の後継機にあたる。従来案では使い捨て型ロケットとして開発されていたが、韓国宇宙航空庁は「使い捨てでは将来的な国際競争力が不足する」として、再使用型へ転換する方針を固めた。

代表例となる米スペースXの「ファルコン9」は、1段目を再使用することで打ち上げコストを従来比1/10にまで抑え、世界の商業打ち上げ市場をほぼ独占している。韓国も同様のモデルを導入することで、民間主導の宇宙開発(ニュー・スペース)の基盤を築く狙いだ。

新たに設計されるロケットは、2段式メタン燃料ロケットとして開発される。1段目には80トン級エンジンを9基、2段目には1基を搭載する。これは再使用に適したススが少ないクリーンな燃焼が特長のメタンを採用することで、整備性とコストパフォーマンスを両立する構想だ。

2032年に予定される月面着陸ミッションでは、初期段階では1回使い切りとして打ち上げる。推力を最大限に確保する必要があるため、再使用はしない。2033年以降に、本格的な1段目回収・再使用の実証試験が始まる。

(c)news1

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