2025 年 12月 23日 (火)
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韓国食品大手が「脱・食中心へ舵…次なる成長戦略は「バイオ」

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韓国の食品業界が「食」中心の体質から脱却し、医薬・ヘルスケア分野などバイオ産業へと事業の幅を広げている。内需停滞や原材料費の上昇で収益性の改善が難しくなる中、企業各社は中長期的な成長エンジンとして「バイオ」に注目し、次々と関連事業に乗り出している。

食品大手のデサン(大象)は、ドイツの医薬用アミノ酸専門企業「アミノ有限会社(AMINO GmbH)」の株式100%を約502億ウォンで買収し、来年3月までに手続きを完了させる計画だ。アミノ社は医療用輸液(点滴)や患者用食品、バイオ医薬品の製造に必要なアミノ酸を製造しており、すでにグローバル製薬会社や患者用食品メーカーと安定した取引関係を構築している。

デサンは今回の買収を通じて医薬用アミノ酸市場へ本格参入し、同社の精製技術や欧州での承認ノウハウ、グローバルネットワークを活用して、北米やアジア市場への事業拡大を図る方針だ。既存の飼料用アミノ酸(リジン)事業との相乗効果も期待されている。

一方、CJグループは今年初め、バイオ事業の売却説が浮上したものの、4月には売却を撤回。短期的な収益性ではなく、中長期的な成長軸として維持する方針を固めた。この戦略は最近の人事にも表れており、CJは経営リーダー(常務級)のイ・ソンホ氏を未来企画グループ長に任命。新規事業や成長戦略全般を統括させた。イ・ソンホ氏はかつてCJ第一製糖のバイオ事業部で管理業務に携わっており、バイオ分野での実務経験もある。

CJは今後、バイオと素材を融合させた新事業を未来企画グループを軸に推進していくと見られる。

製菓大手のオリオンもバイオ領域に本格進出しており、昨年、次世代抗体薬物複合体(ADC)技術を持つ「レゴケムバイオサイエンス」の株式25.73%を取得。オーナー一族のダム・ソウォン専務がレゴケムの取締役に就任しており、組織的な連携も強まっている。

レゴケムは現在、ADCを軸に免疫抗がん剤や低分子治療薬の研究開発を進めており、企業としてのバイオ事業の規模も拡大している。

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