
韓国のコンテンツプラットフォーム「カカオページ」で開催中のウェブ小説イベントが、11月25日に91歳で逝去した俳優イ・スンジェ氏を連想させるとして物議を醸している。運営元のカカオエンターテインメントは、「事前に企画されたもので意図はなかった」と釈明したが、イベントの中止は予定していない。
問題視されているのは、11月6日から連載開始された作家イ・ダウムの新作ウェブ小説『元老俳優なのに今生は末っ子から』のリリース記念イベント。12月1日から開始されたこのイベントは、作品の話数を所蔵することでキャッシュ抽選券がもらえる「スペシャルオープンラン」など複数のキャンペーンで構成されている。
しかし、同作品の主人公「イ・グンジェ」は「90歳で演技歴70年を誇る最高齢の元老俳優」という設定。イ・スンジェ氏と名前がハングルで一字違いである上、年齢や経歴、劇中の描写も酷似している点から、読者の間で「故人を想起させる」「追悼の雰囲気に配慮していない」といった批判の声が相次いだ。
特に、作品第1話の冒頭でイ・グンジェが後輩俳優に支えられながら壇上に上がり「大韓芸術大賞功労賞」を受け取る場面は、2024年1月にイ・スンジェ氏が『2024 KBS演技大賞』で俳優チェ・スジョンの介添えを受けながら初の大賞を受賞した実際の場面を彷彿とさせるとして注目された。
12月2日には、連載を1日に複数話更新する追加イベントも開始され、物議はさらに拡大。読者コメント欄には「連載自体は死去前からだったが、広報の時期が問題」「イ・スンジェ先生を思い出してしまう」などの投稿が寄せられた。
同じ時期に開催された『2025 MAMA(ママ)アワーズ』では、11月26日に香港のマンション火災で死者が出たことを受け、主催のCJ ENMが追悼の意を示してレッドカーペットや一部ステージの中止を決定。世界的な人気を集めたNetflixアニメ『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の架空グループなど、多数の出演者のステージが取りやめとなった。
これに対し、カカオエンターテインメントは「イベントは作品公開に合わせて11月初めから計画されたもので、特定の意図はなかった」としながらも、「イベント内容は作家と事前に調整されたものであるため、現時点で中止の予定はない」と説明している。
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