
韓国陸軍地上作戦司令部に2025年10月、正体不明の男が進入しかけたにもかかわらず、部隊側が身元確認すらせず帰していたことが明らかとなり、「警備がずさんだった」との批判が出ている。
陸軍によると、事件は10月中旬の朝、同司令部の警備門(衛兵所)付近で発生した。中年男が車両用ゲートを通って敷地内へ進入しようとしたが、数十メートル進んだところで警備兵に発見され、行政案内室に連行された。
この際、男は工事作業員がよく着用するベストを身に着けていたが、部隊が外部人員の識別のために支給する指定作業服ではなかった。加えて、言葉が不明瞭で、外国人の可能性も否定できないとみられている。
しかし、部隊側は男の身元や国籍を確認することなく、出入り手続きを案内して帰しただけで終わったとされる。近年、中国人や台湾人が空軍基地付近で戦闘機を無断撮影するなど、外部による安全保障関連の事件が相次いでいるなか、このような対応は重大な警備上の問題をはらんでいる。
同司令部は「男の身元や国籍は確認されていない」と説明したうえ「発見時に抵抗もなく、関係者の指示に素直に従ったため、身元確認はしなかった」としている。
一方、陸軍関係者は「警備兵は男が侵入する段階から監視・追跡しており、最終的に制止して出入り手続きを説明した」と釈明。「雨天や朝の混雑時などに備えて警備体制を強化し、部隊の防護態勢を維持している」としている。
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