2025 年 12月 3日 (水)
ホーム社会交際相手を守ろうとして重傷、深刻な後遺症、なのに加害者を減刑した韓国の司法判断

交際相手を守ろうとして重傷、深刻な後遺症、なのに加害者を減刑した韓国の司法判断

(c)MONEYTODAY

韓国・大邱市で2023年、帰宅中の女性を襲い、その恋人に重傷を負わせた事件で、30歳の男に対する1審の懲役50年判決が控訴審で懲役27年に減刑され、被害者や世論から強い反発が起きている。

事件は2023年5月13日夜に発生。配達員を装った男が20代女性を尾行し、ワンルームマンションの部屋に侵入。刃物で女性を襲い、性暴力を試みたが、戻ってきた恋人に妨害された。男は恋人の顔や首などを執拗に刺したため、恋人は大量出血で心停止を繰り返し、20時間を超える手術の末に一命を取り留めた。だが、低酸素脳症で知的年齢が小学生並みにまで低下。女性も手首に重い後遺症を負った。

男は事件の数日前から犯行を計画し、殺人事件についての情報をネットで検索していた。1審では「生涯癒えない被害」として韓国の有期刑で最長の懲役50年が科された。

しかし控訴審では、男が犯行を認め反省していることや、1億ウォン(約1100万円)を刑事供託したこと、乱闘中の偶発性、被害者の症状に一定の改善が見られることなどを理由に、懲役27年とした。ただ被害者の許しは得られておらず、裁判所も模倣犯罪防止のために厳罰の必要性を認めている。

刑事供託は、被害者と示談に至らずとも裁判所に賠償金を預ける制度。被害者が受け取れば事実上の示談とみなされる。

この判決に対し、SNSでは「被害者が許していないのに減刑はおかしい」「量刑基準の見直しを」といった批判が殺到。男は上告せず、判決は確定した。出所は2050年。

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