
電動キックボードや電動自転車など「個人型移動装置(PM)」の利用が急増する中、韓国で関連事故がこの7年で20倍に増えている。制度上の規制が分裂的で、統一性のない運用が事故リスクを高めているとして、国会では法整備が議論されている。
国会立法調査処によると、2024年のPMによる交通事故は2232件、死者は23人。2017年と比べて事故は約20倍、死者は6倍近くに増えた。特にソウル市内では死亡事故が相次ぎ、ソウル警察庁は11月25日にバイクやPM対象の抜き打ち取り締まりを実施した。
現在の道路交通法では、スロットル式電動自転車や電動キックボードなどは「PM」に分類され、運転には原付以上の免許とヘルメット着用が必要で、歩道走行は禁じられている。違反時には最大15万ウォンの罰金が科される。一方、PAS方式(ペダルを踏まないと動力が作動しない)の電動自転車は「自転車法」が適用され、免許不要ながら歩道走行は禁止。だが罰則は明確でなく、ヘルメット未着用に罰金もない。
こうした不統一な規制に対し、利用者から「運転方法が違うだけで規制が異なるのは不合理」との声が出ており、警察も現場では安全を最優先に取り締まりを判断している。
専門家は制度再整備の必要性を訴える。韓国道路交通公社の研究者は「PAS方式でも事故が増えているなら再検討すべきだ」と指摘。建国大学の学者も「速度や危険性が同等なら、一元的な規制とPMに対応したインフラ整備が必要」と述べた。
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