2025 年 11月 28日 (金)
ホーム経済流通「所有より体験」…韓国VIPのラグジュアリー消費、主流変えた新世界百貨店

「所有より体験」…韓国VIPのラグジュアリー消費、主流変えた新世界百貨店

新世界百貨店(c)news1

韓国・新世界百貨店が運営するVIP専用キュレーションプラットフォーム『ザ・ショーケース(The Showcase)』が、開始からわずか1年で富裕層の消費トレンドを大きく変えつつある。高級ブランドではなく、そこでしか得られない「体験」を重視する新しい消費様式が広がっている。

百貨店側が11月24日に明らかにしたところによると、『ザ・ショーケース』の2025年1~10月までの利用客の平均購入額(客単価)は約2000万ウォンに達し、同期間の高級ブランド部門(約300万ウォン)の約7倍という高水準だった。

単なる“買い物”ではなく、「ここでしかできない」体験へのニーズが高まり、富裕層市場における価値の軸が“ブランド”から“体験”へと移行していることを裏付けている。

2024年11月に公開された『ザ・ショーケース』は、登場する企画ごとに完売を記録してきた。日本の酒造メーカー「サントリー」と協業した超少量生産の限定ウイスキーは、販売開始からわずか1分で完売。2025年5月に公開されたフランス・ローランギャロス(全仏オープン)男子決勝観戦パッケージには、定員10人のところに500人以上の応募が殺到した。

また、世界で0.1%未満しか存在しない希少カラーのダイヤモンド相談には、アプリを通じて1万人以上が問い合わせ、数千万ウォンに及ぶ価格にもかかわらず実際に販売へとつながった。さらに、高級電気自動車「ポールスター4」(約9000万ウォン)の販売も好調で、年末までに100台契約の達成が目前に迫っている。

『ザ・ショーケース』にはこの1年間で約5万人のVIPが訪れた。新世界百貨店の最上位会員「トリニティ(Trinity)」顧客のうち、約75%が購入意欲を示し相談を受けたという。年齢層では、30〜40代の若年層VIPが全体の63%を占めており、アプリを使い慣れた世代がこの新たな消費文化の牽引役を担っている。

こうした傾向は、百貨店における富裕層消費が「所有」中心から「経験」中心へと本格的に転換しつつあることを象徴している。希少性や差別化されたコンテンツなど、「新世界百貨店でしか得られない体験」が消費決定の最重要要素となっている。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular