2025 年 11月 17日 (月)
ホームライフスタイルビューティー世界人口7割をターゲットに…韓国COSMAX「くせ毛」市場に本格参入

世界人口7割をターゲットに…韓国COSMAX「くせ毛」市場に本格参入

(c)AFP/news1

韓国の代表的なODM(相手先ブランドによる製造)化粧品メーカーである「COSMAX(コスマックス)」が、独自技術を武器に世界人口の約70%が該当するとされる「縮れ毛市場」に進出する。

プレミアム機能性製品を強みとする韓国ビューティーのグローバル競争力を背景に、成長性の高いニッチ市場を攻略し、将来的には独自の需要創出まで見据えた戦略とみられる。

業界関係者によれば、COSMAXは10月16日、化粧品原料分野のグローバル企業「Syensqo」と業務協約(MOU)を締結し、縮れ毛専用製品の開発に着手した。

Syensqoの推計によると、世界で10億人以上が縮れ毛を有している。東アジアや欧州では縮れ毛の比率は約20%だが、米国では40〜50%、中南米では75%、アフリカにおいては90%に達する。

米国の著名司会者の専属ヘアスタイリストだったアンドレ・ウォーカー氏は、髪質を人種やカールの強さによって12種に分類。一般的に韓国を含む東アジアでは細くて直毛の髪質が多いが、白人・黒人を含む他地域では縮れ毛の比率が圧倒的に高い。

直毛に比べて縮れ毛は髪表面のキューティクルが不均一で、水分とタンパク質が失われやすく、枝毛・乾燥などの損傷リスクが高い。このため、より多くのヘアケア製品を使用する傾向があり、シャンプー・トリートメントに加え、カールクリーム・オイル・スタイリングジェルなどを併用するのが一般的だ。

従来はアルカリ性の強い成分で縮れ毛を直毛化する製品が多く使われていたが、近年では頭皮や髪へのダメージから使用を避ける傾向が強まり、「自分のカールを愛そう(#LoveMyCurl)」というキャンペーンが米国・南米・アフリカなどで広がりを見せている。

こうした中で、COSMAXは多民族の髪質研究に強みを持つSyensqoとの協業を通じて、同社の独自技術「Corelink-S」を活用し、縮れ毛の弱点克服を目指す。

Corelink-S技術は、髪内部のケラチン繊維にある切断されたジスルフィド結合を再構築し、損傷を補修しながらスタイルを長持ちさせる技術として注目されている。

COSMAXは今後、縮れ毛のタイプに応じた特化型シャンプーやスタイリング製品を開発。中長期的には、縮れ毛と頭皮に関する共同研究により独自原料を開発し、差別化された需要創出にも取り組む。

市場の見通しも明るい。縮れ毛向け製品市場は2024年時点で約120億ドル規模とされ、年平均10〜15%の成長を続けている。

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