
「観光は日韓の信頼を深める最も強力な絆です」。日本の水嶋光一・駐韓国大使は11月11日、ソウルの日本大使公邸で開催された「日韓国交正常化60周年記念・日本小都市PRレセプション」で、こう強調した。
水嶋大使は次のように続けた。
「1965年の国交正常化当時は年間1万人にすぎなかった日韓間の人的交流が、昨年には1200万人を超え、今年は9月までで既に950万人を記録している。これからは地方都市同士の交流が新時代の主軸になる」
「観光は経済・文化・若者世代交流の出発点であり中心だ。地域間の往来が増えるほど、日韓関係の土台もより強固になる」
日本政府観光局(JNTO)によると、昨年訪日した外国人は3687万人と過去最多を記録。そのうち韓国人は881万人で全体の23.9%を占め、最大の市場となった。韓国出国者の3人に1人が日本を訪れた計算になる。韓国人観光客による消費額も9602億円に達し、中国・台湾に次ぐ第3位となった。
しかし、訪問先の集中度は依然として高い。関西・福岡・成田の3空港で全体の80%、上位5空港(羽田・新千歳含む)では90%に達した。
宿泊先も東京(23%)、大阪(26%)、福岡(16%)の3大都市に60%が集中しており、北海道を加えると70%以上が特定地域に偏っている。
JNTOソウル事務所の清水雄一所長は「韓国は日本観光の最重要パートナーであり、最もダイナミックな市場だ」と評価しつつ、「現在は直行便中心の短期滞在に偏っている。地方空港のアクセス改善と体験型コンテンツの強化により地域間のバランスを取る必要がある」と語った。
そのうえで「ネイバー検索で『日本 小都市 旅行』の検索量は2016年以降、着実に増加している。これは韓国人の日本地方観光への関心が高まっている証左だ」と述べた。
11日のレセプションには、岩手・宮城・長野・山梨・静岡・鳥取・岡山・徳島・福岡・宮崎の12県の代表団が訪韓。韓国旅行業界・航空業界・経済団体関係者ら約200人が出席した。各県は現地ブースで観光名所・特産品・観光ルートを直接紹介した。
鳥取県は日本最大の砂丘を中心とした体験型観光を、長野県はスキーや温泉を組み合わせた冬の旅行を、山梨県は富士山近郊のワイナリーツアーを提案し、韓国の旅行会社との商品開発を模索している。
JNTOは今後「知られざる日本の小都市」キャンペーンを本格展開し、2029年までにインバウンド消費額を現行の8兆円から15兆円に引き上げる政府目標に合わせて地方観光を中核に据える構えだ。
清水所長は「地方こそが日本の本当の魅力を詰め込んだ場所だ。現地の食・酒・温泉・自然・文化遺産を中心に滞在型旅行モデルを拡大していく」とした。韓日経済協会のキム・ユン会長も「観光と地方交流は人と産業を結びつける協力の場だ。若者世代の交流と地域企業間の連携が進めば、日韓関係に実質的な相乗効果をもたらすだろう」と語った。
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