2025 年 11月 13日 (木)
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韓国で検察が大混乱…検察トップ辞意表明、「代行の代行」体制に突入

2025年11月12日、ソウル瑞草区の大検察庁を後にするノ・マンソク検察総長職務代行(c)news1

韓国検察が大庄洞開発をめぐる不正事件の控訴放棄により混乱するなか、検察総長の職務代行を務めていたノ・マンソク氏が辞意を表明し、「代行の代行」体制へと移行した。大検察庁は12日午後、「本日ノ・マンソク氏が辞意を表明した。詳細な立場は退任式の際に述べる」と明らかにした。

ノ・マンソク氏は2025年7月、シム・ウジョン氏が検察総長を辞任したことを受け、職務代行に就任した。就任からわずか4カ月あまりでの辞意表明となる。

これにより、検察はノ・マンソク氏の後任として、大検察庁企画調整部長のチャ・スンギル氏が職務を引き継ぐ見通しとなった。チャ・スンギル氏はムン・ジェイン(文在寅)政権下で法務省の公共刑事課長や政策企画団長などを歴任したが、ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権下では検事長への昇進は果たせなかった。今年4月にはソウル高等検察庁刑事部長として、ユン氏の妻キム・ゴニ(金建希)氏のドイツモーターズ株価操作疑惑再捜査を担当し、7月に大検企画調整部長に任命された人物だ。

検察首脳が内部の反発により辞任するのは、イ・ミョンバク(李明博)政権時代の2012年にハン・サンデ検察総長が大検中央捜査部の廃止を推進し、辞任に追い込まれて以来、13年ぶりとなる。

また、検察総長と次長の両ポストが同時に空席となるのは、2009年にノ・ムヒョン(盧武鉉)元大統領の死去の際に一度だけ前例がある。当時はイム・チェジン検察総長が辞任し、ムン・ソンウ次長が代行を務めたが、その後も退任し、最終的に先任のハン・ミョングァン企画調整部長が「代行の代行」となった。

直近では2022年、ムン政権の任期末にキム・オス検察総長が辞表を提出し、パク・ソンジン次長が代行となったが、パク次長の辞表が受理されなかったため、空席は回避された経緯がある。

さらに今回の控訴放棄問題では、韓国最大規模の検察庁であるソウル中央地検のチョン・ジヌ地検長も11月8日、控訴放棄の翌日に辞意を表明しており、総長、次長、ソウル中央地検長が全て不在となる異例の事態に発展。検察の指揮系統は事実上、麻痺状態に陥っているとの見方が広がっている。

(c)news1

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