2025 年 11月 13日 (木)
ホーム社会「文化の記憶を切断する暴挙」…韓国考古学会、宗廟前の「超高層」再開発に緊急声明

「文化の記憶を切断する暴挙」…韓国考古学会、宗廟前の「超高層」再開発に緊急声明

ソウル市鍾路区にある宗廟とセウン4区域の再開発現場(c)news1

韓国の考古学者1500人が所属する韓国考古学会(会長=イ・ソンジュ慶北大学教授)は、ユネスコ世界文化遺産である「宗廟」(ソウル市鍾路区)周辺に超高層ビルの建設を可能にする都市計画をソウル市が推進していることに対し、強く抗議する緊急声明を発表した。

声明は、11月7日に開かれた第49回韓国考古学全国大会の場で発表されたもので、学会は「宗廟の尊厳と価値を損なう開発の動きに断固として反対する」「宗廟の空と視界を遮る高層建築を既成事実化しようとする試みは、私たちの文化的記憶を断ち切る行為だ」と厳しく非難した。

さらに「世界遺産の周辺で進められるいかなる開発事業も慎重であるべきであり、開発計画や高さの引き上げを進める過程では、事前の情報公開、独立した専門家による評価を踏まえた社会的合意が十分に形成されなければならない」と指摘している。

今回の背景には、大法院(最高裁)が11月6日、ソウル市が国家遺産庁との協議なしに「文化財保護条例」の関連条項を削除したことについて、「違法ではない」と判断した判決がある。この判決を受けて、ソウル市が「セウン再整備促進地区4区域」の再開発計画が本格化する見通しとなった。

ソウル市はこの告示で、宗廟通り沿いの建物の高さを従来の55メートルから98.7メートルに、清渓川沿いの建物の高さを71.9メートルから141.9メートルにまで引き上げる内容を盛り込んだ。

考古学会は、判決に対して「大法院の判断は、条例改正と告示に関する国内法上の手続き的正当性を確認したにすぎず、それをもって開発を正当化してはならない」と釘を刺した。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular