2025 年 11月 7日 (金)
ホーム社会韓国10〜30代の消費行動に変化…「安くて実用的」衣料品が人気、浮上する「非衣料専門店」

韓国10〜30代の消費行動に変化…「安くて実用的」衣料品が人気、浮上する「非衣料専門店」

BGFリテール提供(c)news1

韓国国内で内需の低迷が続く中、10〜30代の消費行動に変化が表れている。若年層を中心に「安くて実用的」な衣料品の人気が高まり、コンビニエンスストアや生活雑貨チェーンのダイソーといった「非衣料専門店」が新たな日常的ショッピング空間として浮上している。

物価高が長引く状況下で、消費者の「コスパ」を重視する傾向が顕著になっている。国家データ庁によると、2025年9月の消費者物価指数は前年同月比で2.1%上昇(117.06)し、体感物価を示す生活物価指数は2.5%増となった。特に外食や個人サービスなどの価格上昇も続いており、家計の負担感は根強い。

こうした背景の中、韓国の大手生活雑貨チェーン「ダイソー」は、低価格衣料の品ぞろえを強化し、売り上げを大幅に伸ばしている。2024年には前年比約34%の売り上げ成長を記録し、2025年1〜9月の累計では前年同期比60%以上の増加となった。販売商品は800種を超え、5000ウォン(約560円)未満の軽量ダウンジャケット、プリーツスカート、トレーナー、フーディーなど、Z世代を意識したラインナップが揃っている。

一方、韓国の大手コンビニ各社も衣料販売に力を入れている。1990年代には靴下やストッキングなどの「緊急消費」商品としてスタートした衣料販売だが、近年はファッション・ビューティーに対する若年層の需要が増え、新たな成長分野として注目されている。

コンビニ最大手の一つ、GS25は2025年3月、韓国の人気ファッション通販「ムシンサ」と提携し、専用衣料ライン「ムシンサスタンダードエクスプレス」を展開。10月上旬から中旬の売り上げは、立ち上げ初期(3月初旬)比で186.5%も急増した。購入者の64%を10~30代が占めており、若者のニーズを的確に捉えている。

同様にCUでは、2023年から2025年にかけて衣料品売り上げが4.2%→12.1%→8.2%と着実に増加。セブンイレブンは2025年に前年比20%、イーマート24でも年間10%以上の成長を記録している。セブンイレブンは2024年9月にファッション・ビューティー特化型店舗「東大門DUNDUN店」を開店し、観光地である東大門という立地から、若者や外国人観光客の人気を集めている。

これらの人気の背景には「緊急消費」から「日常消費」への移行がある。MZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)の増加に対応し、コンビニ各社は低価格かつベーシックなアイテムを中心にラインナップを拡充。セブンイレブンはイングランド・プレミアリーグのクラブチームであるトッテナム、マンチェスター・シティとコラボしたファッションアイテムや、「セブンセレクト カシミヤニット」など、冬向け商品も発売している。

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