
韓国の俳優チョ・ビョンギュ氏と前所属事務所HBエンターテインメントが過去の学校暴力を告発した投稿者を相手取り、40億ウォン(約4億5000万円)の損害賠償を求めた民事訴訟で、ソウル中央地裁は1日、「証拠不十分により虚偽とは断定できない」として、原告の請求を棄却した。チョ氏側は判決を不服として控訴した。
チョ氏側は「投稿者のSNS投稿によって広告モデル契約の解除や出演作のキャンセルが相次ぎ、合計40億ウォンの損失を被った」と主張。さらに「精神的苦痛に対する慰謝料2億ウォンを加え、総額42億ウォン(約4億7000万円)の賠償を求めた」としていた。
これに対し、投稿者は韓国国外に居住しており、法廷に出廷せず反論の書面も提出しなかった。
しかし、地裁は「チョ氏側が提出した証拠だけでは、投稿者の投稿内容が事実無根であるとは断定できない」と判断した。
また、投稿者が投稿を削除したことについて、チョ氏側は「虚偽であることを認めた証拠だ」と主張したが、これも退けられた。地裁は「削除の背景には、韓国では事実の指摘でも名誉毀損罪に問われるという法制度への恐れがあったと見られる」と指摘した。
チョ氏の無実を証明する目的で提出された、20人余りの知人による陳述書についても「これらの証言はすべて韓国内の関係者によるものであり、事件の舞台であるニュージーランドでの実情を明らかにするものとは言えない」と退けられた。
チョ氏に対する学校暴力疑惑は2021年、ニュージーランドの同級生を名乗る人物がSNS上で「暴行を受け、遊興費を支払わされた」とする書き込みを投稿したことで表面化した。
(c)news1

