
「塗るだけで小顔」「運動なしで10kg減量」――韓国でこんな“夢のような美容法”をうたう広告がSNSや動画サイトで急増している。しかし、その多くはAIで作られた架空の“医師”や“専門家”による虚偽・誇大広告であり、医療機関や専門家から警鐘が鳴らされている。
SNSやオンライン広告では、「有名美容クリニックでも使用」「肌のシワがすぐ消える」などのキャッチコピーとともに、“塗るだけでリフトアップができる”というクリームが販売されている。
しかし、専門家はこれを「現実的に不可能」と一蹴する。
美容クリニック「パンパン医院」のチョ・ミニョン院長は「本来の“スレッドリフト”とは、特殊な糸を皮膚の内部に挿入して引き上げる医療処置。皮膚の表面に塗るクリームでは、物理的に同様の効果を得るのは不可能」と断言する。
中には“S大学の肥満治療専門教授”などと紹介された人物が登場し、「運動なしで10kg痩せた」と語る動画広告も見られる。だがこれらは、ディープフェイク技術を使って顔や声を合成した偽物。存在しない“AI医師”があたかも本物の医療専門家であるかのように演出されている。
こうした広告では、健康補助食品やEMS機器(低周波マッサージ器)が紹介されることが多いが、科学的根拠が乏しいものも少なくない。
「365mcノウォン医院」のチェ・ギュヒ院長は「ダイエット用の健康補助食品は、体質によって効果が異なる上、成分によっては肝臓や腎臓に負担をかけることもある」と注意を呼びかける。
また、広告でよく見られる“お腹痩せEMSマシン”についても、「表層の筋肉しか刺激できず、筋トレと併用しなければ脂肪燃焼効果は期待できない」と説明する。
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