2025 年 10月 25日 (土)
ホーム経済IT/メタバースAIで「迅速なサービス」も「人間的な共感」も…韓国の「AIネイティブ」が求める未来の職場

AIで「迅速なサービス」も「人間的な共感」も…韓国の「AIネイティブ」が求める未来の職場

ChatGPT生成画像(c)KOREA WAVE

「人工知能(AI)ネイティブ」世代は、企業のAI戦略の全面的な見直しを求めている――こんな調査結果が発表された。職場環境や顧客体験全般において、AIの導入と人間的な共感のバランスを取ることが、企業の重要課題として浮上しているという。

韓国メガ・ニュース(MEGA News)のチョ・イファン記者の取材によると、ズーム・コミュニケーションズがアジア太平洋地域の8カ国で「AIネイティブ」世代(AIに早期に触れた世代)を対象に調査した結果、韓国は調査対象国の中で、職場でのAI導入や顧客体験に対する期待値が最も高かった。

特に職場におけるAIへの期待が高かった。韓国のAIネイティブ回答者の90%が、雇用主はAIツールを提供すべきだと答えた。これはアジア太平洋地域の平均である78%を大きく上回る。また、92%がAI活用能力を今後の就職競争力の核心要素として挙げた。

AIツールの提供に関しては、世代間の認識の差が顕著だった。韓国ではAIネイティブの90%が必要と答えたのに対し、非ネイティブ世代では74%で、差が大きかった。これに対し、アジア太平洋地域全体ではAIネイティブが78%、非ネイティブが77%で、差はわずかだった。これは韓国企業が労働市場に進出する新世代の高い基準に応える必要があることを示している。

顧客体験の面でも、AIネイティブ世代は「スピード」と「共感」の両方を求めていた。回答者の91%がAIチャットボットを通じた迅速なサービスを望んでいた。一方で、86%が必要なときに人間のオペレーターにつながる機能を重視していた。

韓国のAIネイティブは、ブランドに対する期待値がアジア太平洋地域で最も高かった。迅速なAIサービスを望むとの回答は91%に達したが、実際にそのようなサービスを経験したと答えた人は39%で、最も低かった。これは単に技術を拒否しているのではなく、より高度な知能を持つAIを期待していることを意味していると考えられる。

不正確なAIの応答は、ブランドへの忠誠心を下げる主な要因だった。回答者の42%が「役に立たないAIの応答」を指摘した。これは、単純で機械的な自動応答ではなく、より精密なインタラクションを期待していることを示している。

AIに対する懸念は、世代を問わず似通っていた。韓国の回答者はAIが生成する結果物の正確性を最も懸念していた。AIネイティブの53%、非ネイティブ世代の55%が同じ問題を指摘した。個人情報保護の問題も、AI導入を妨げる主な要因として挙げられた。

このような結果は、企業がAIを人間の代替ではなく、協力モデルとして取り入れる必要があることを示している。AIに慣れ親しんでいるネイティブ世代は、信頼できる統合ツールを求めており、非ネイティブ世代は信頼を築くための説明や教育がより必要であることが分かった。

今回の調査は、ズームの依頼によりカンターが2025年7月にオンラインで実施した。調査は韓国、オーストラリア、香港、インドなど8カ国の18歳~45歳の回答者2551人が対象。AIネイティブは、18~24歳のうち、15歳以前にスマートフォンなどを通じてAI技術に早期に触れ、関連する知識や経験を有する人々と定義された。

(c)KOREA WAVE

RELATED ARTICLES

Most Popular