2025 年 10月 23日 (木)
ホーム政治北朝鮮北朝鮮の「統一戦線部」は消滅したはずなのに…当時の李善権部長、依然「部長」の肩書を維持

北朝鮮の「統一戦線部」は消滅したはずなのに…当時の李善権部長、依然「部長」の肩書を維持

北朝鮮のリ・ソングォン(李善権)朝鮮労働党中央委員会部長(c)news1

北朝鮮が昨年、朝鮮労働党統一戦線部を「第10局」へと改編したにもかかわらず、同部部長だったリ・ソングォン(李善権)氏が依然として「党中央委員会部長」という肩書を使っていることが確認された。

党機関紙「労働新聞」は10月13日、朝鮮労働党創建80周年を記念して10月12日に開かれた「海外同胞のための宴会」を報道。この席に「朝鮮労働党中央委員会部長・リ・ソングォン同志」と関係部門幹部が出席したと伝えた。

韓国統一省はこれまで、リ・ソングォン氏が「党第10局長」に就任したと推定していた。北朝鮮は2023年末、南北関係を「敵対的な二国家関係」と位置づけ、従来の統一戦線部を「党中央委第10局」に改称。対南心理戦を主導する機関として再編したとみられている。

しかし、リ・ソングォン氏の肩書はその後も「党中央委員会部長」として報道に登場している。2025年1月9日の「在日朝鮮学生少年芸術団歓迎宴」、5月25日の「在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)結成70周年記念中央報告会」などでも同様の表記が確認された。

専門家の間では、「第10局」は名称こそ「局」に変わったものの、依然として党中央直属の専門部門として扱われており、リ・ソングォン氏が引き続き部長級の地位を保っている可能性が高いとの見方が出ている。党の組織体系では、通常「部」の下に「局」が置かれるが、統戦部は対外工作・対南事業を担う特別な性格を持つため、別格の地位を維持している可能性もあるという。

また、第10局は南北関係だけでなく、海外同胞関連の業務も管轄していると推定される。今回の宴会には、党創建80周年を祝うために訪朝した在日本朝鮮人総聯合会、在中国朝鮮人総連合会、国際高麗人社会連合会などの代表団が参加しており、リ・ソングォン氏がその総括責任者として登場したのもこの流れの一環とみられる。

統一省関係者は「リ・ソングォン氏が引き続き党の対南・対外同胞事業を総括していることを示す事例。北朝鮮が名称を変えたとはいえ、統戦部的機能を維持している」との見解を示した。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular