2025 年 10月 16日 (木)
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「AI×給食ロボット」韓国で進化中…2000人分を自動調理、世界展開も視野に

ソウルのヨンドン中学校の給食室では、調理ロボットがチキンを揚げている(c)KOREA WAVE

「大企業2社と秘密保持契約(NDA)を締結し、協業中です。一社は2025年上半期から実際の運用を始めており、もう一社は人工知能(AI)ベースのモデルを開発中です」

韓国ロボティクスのアン・ドンフン理事は10月14日、ソウルで開催された「ワールドフードテックカンファレンス2025」でこう述べたうえで、「AIモデルは2025年末までに設置を完了し、2026年上半期にテストを経てグループ全体での展開が検討されるだろう」と語った。

メガ・ニュース(MEGA News)のシン・ヨンビン記者の取材によると、韓国ロボティクスは給食・大量調理現場の自動化に特化したロボット企業で、2025年からAIを組み合わせた調理制御モデルの開発を進めている。

アン・ドンフン理事は「現在、グループ企業の最上層への報告が進行中で、テスト結果が良好であれば2026年から本格的な拡大が期待できる。最近、日本のセントラルキッチン運営企業が韓国を訪問してミーティングを開いたほか、年末には米国のバイヤーの訪問も予定されている。大量調理ロボットが輸出産業に発展する可能性も十分にある」と強調した。

アン・ドンフン理事は、給食調理現場を「高温・高強度・高リスクの環境」と表現し、「熱い調理台の前で筋力を使う必要があり、やけどや労災が絶えない。新たな人材の確保も難しく、ロボットが不可欠な市場だ。ロボット導入以降は、人が調理台の前に立つ必要がなくなった。ロボットが食材を投入し、自動で調理・排出し、人は準備と検収だけを担う」と述べた。

このような自動化方式によって、専門機関の測定によると作業強度は50%削減、室内の有害要素は70%減少したという。

学校給食の調理現場では特に衛生面が重視されているとし、「すべての設備を水洗い可能な構造に設計し、食品医薬品安全処から食品用衛生安全認証書を取得した」と語った。

ロボットは丸い大型鍋でも揚げ物・スープ・炒め物の調理が可能なように設計されており、大型校向けに1台のロボットで2つの鍋を制御し、最大2000人分の調理が可能となっている。

アン・ドンフン理事は「6軸ロボットの自由度を活用し、空間の制約なく双方向での調理動作が可能だ」と説明した。このシステムはソウル・釜山・仁川の教育庁傘下の給食施設で高い満足度を得ている。

ロボットは使用者の安全確保のため、国際基準ISO 10218-2に準拠して製作されており、大韓産業安全協会、ロボット使用者協会などからすべての安全認証を取得している。

アン・ドンフン理事は「設置されたすべての現場で個別の安全認証を受けており、初回設置から2年以上、一件の安全事故も発生していない」と述べた。

(c)KOREA WAVE

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