2025 年 12月 8日 (月)
ホーム国際中国製ヒューマノイドロボット、韓国の大手通販でも販売開始…「政府レベルの対応急務」懸念

中国製ヒューマノイドロボット、韓国の大手通販でも販売開始…「政府レベルの対応急務」懸念

宇樹科技のヒューマノイドロボット「G1」販売ページ=ジーマーケット画面(c)NEWSIS

中国のヒューマノイドロボットが韓国国内のオンラインショッピングモールでも販売されていることが明らかになり、技術・産業安全保障の観点から懸念が広がっている。

韓国国会の科学技術情報放送通信委員会で10月13日開かれた科学技術情報通信省の国政監査で、共に民主党のイ・ジョンホン議員は「中国のハイテク産業力、いわゆる『レッドテック(Red Tech)』がすでに韓国社会にも浸透している」と指摘した。

「レッドテック」とは、中国政府が主導する最先端技術およびその産業競争力を指す用語で、米中技術覇権競争の中で中国が独自の技術開発を強化する原動力となっている。イ・ジョンホン議員は「中国のロボット企業数は約45万社に達し、韓国(4521社)の100倍規模だ」と強調した。

特に注目されたのは、中国ロボットメーカー「宇樹科技(Unitree Robotics)」が開発したヒューマノイドロボット「G1」が韓国の大手通販サイト「ジーマーケット(Gmarket)」で販売されている点だ。販売価格は割引後で約3600万ウォン(約410万円)前後とされ、当日午後6時前に注文すれば即日発送も可能と案内されている。オプション機能を追加する場合でも45日以内に納品可能と記されている。

中国国家市場監督管理総局によると、2024年末時点で中国のロボット関連企業は45万1700社に上る。中国政府はヒューマノイドロボットの開発・生産に153億5000万元(約3223億円)を投資し、供給と需要のマッチングを国家主導で進めている。イ・ジョンホン議員は「中国政府の積極的な産業支援により、ロボット分野の好循環構造が確立されつつある。韓国もこれに備えた戦略的対応が必要だ」と警鐘を鳴らした。

これに対し、ペ・ギョンフン(裵慶勲)副首相兼科学技術情報通信相は「中国は人工知能(AI)分野でも急速に進歩しており、物理的AI(フィジカルAI)領域で世界をリードし始めている」と述べたうえで、「米国は巨大言語モデル(LLM)などソフトウェア中心のAI技術を持つが、中国はそれをヒューマノイドという形で現実世界に投入している。これは将来的に非常に大きな“武器”になり得る」と分析した。

(c)NEWSIS

RELATED ARTICLES

Most Popular