
カップル専用メッセンジャーアプリ「Between」で大規模なデータ削除事故が発生し、「数年分の写真がすべて消えた」という利用者の抗議が殺到している。運営会社の韓国系スタートアップ「DLT Partners」は謝罪したものの、初期対応の遅れと補償策の欠如に批判が広がった。
Google Playストアの「Between」レビュー欄に10月2日、「10年近く写真を保存してきたが突然消えた」「数千枚の思い出をどうしてくれるのか」などの書き込みが相次いだ。ある利用者は「非有料会員の写真が一方的に削除された。通知すらなかった」と憤った。別の利用者も「復旧不能と聞いて呆然とした。記録用アプリなのに意味がない」と批判した。
利用者の証言によると、被害は主に無料利用者に集中しており、「有料化を強制するためではないか」との疑念も広がった。
DLT Partnersは9月23日の告知で「AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)との緊急連絡、データリサイズやリージョン別復元など可能なすべての手段を試したが、削除データの復旧は不可能という結論に達した」と説明し、「利用者の思い出を守れなかったことに深い責任を感じる」と謝罪した。
ただ、補償については当初言及しなかったため「謝罪文だけでは不十分だ」との不満が噴出した。
その後、運営側は対応を修正し、被害者全員に100万ウォン相当の「Between Plusカップル永久利用権」と有料スタンプ280種類を一括配布する方針を示した。有料会員については支払済み金額を全額返金するとした。韓国の一部報道によると、有料会員でも、別れていたりするなどでパートナーと接続が切れていた場合、削除対象に含まれたという。
「カップルの思い出を保存する象徴」とされたアプリでの事故だけに、利用者の喪失感は大きく、批判はしばらく続くとみられる。
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