
韓国のSNSに9月28日、「麻浦(マポ)大橋へ向かう乗客を心配したタクシー運転手」という映像が投稿された。アプリで行き先を「自殺の名所」として知られる麻浦大橋に指定した客に対し、運転手が「無料で自宅へ送ります」と申し出たという心温まるエピソードだ。
公開された映像では、配車アプリでタクシーを呼んだ男性が乗り込む場面が映し出される。目的地として表示されたのはソウルの漢江(ハンガン)にかかる「麻浦大橋」だ。
「良からぬ考えを抱いているのでは」と直感した運転手は「今日の料金はいただかないので家まで送ります。自宅へ帰りましょう」と申し出た。
乗客は「どういうことですか」と驚き、アプリを確認。入力を誤っていたことに気づき「近くの酒場へ行くつもりだったのに間違えた」と釈明した。
運転手は「目的地が麻浦大橋と出ていたので心配した」と胸をなで下ろし、乗客も笑顔で「絶対にそんなつもりはない」と応じた。
この映像には称賛の声が相次ぎ、「人柄がにじみ出ている」「本当に温かい対応だ」「声をかけるまでずっと迷っていたのが伝わる」などのコメントが寄せられた。
生命保険社会貢献財団が2021年までの10年間に収集した「SOS生命の電話」の相談データによると、漢江に設置された20カ所の橋のうち麻浦大橋で自殺するという通報が5385件(62.5%)と突出して多かった。
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