2025 年 10月 12日 (日)
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ユーチューブ「飲酒コンテンツ」無防備状態…韓国・青少年の44%「危険飲酒」水準に

飲酒を肯定的に美化したとして指摘されたユーチューブチャンネルの映像=韓国健康増進開発院提供(c)NEWSIS

ユーチューブ上で飲酒を扱う「飲酒放送(スルパン)」や「酒トーク」などのコンテンツが事実上無規制の状態にあることで、韓国の青少年における危険飲酒の割合が44%に達していることが明らかになった。専門家は、視聴制限の強化など法制度による対応の必要性を強く訴えている。

韓国健康増進開発院によると、2024年に「スルパン」「酒トーク」などのキーワードで検索されたユーチューブ動画のうち、視聴数上位100本すべてに問題となる飲酒場面が含まれていた。その内容は、酒を肯定的に描写したり、飲酒中の有害な行動・発言、未成年者による飲酒を助長するような表現が含まれていたものだった。しかし、年齢制限が設けられた動画は一つもなかった。

このような状況は年々悪化しており、2020年には300本中266本、2021年には100本中90本、2022年には99本、2023年と2024年には100本すべてに問題のある飲酒場面が含まれていたという。

保健福祉省と韓国健康増進開発院は2023年11月、OTTサービスやユーチューブにも適用される飲酒表現ガイドラインを改訂したが、これはあくまで勧告レベルにとどまっており、強制力がないため実効性に乏しいとされる。

問題が深刻化する一方で、青少年の飲酒習慣も危機的状況にある。疾病管理庁が実施した「青少年健康行動調査」によると、2024年に飲酒していた青少年のうち44.4%が「危険飲酒」に該当した。これは過去1カ月間に一度の飲酒で、男子は焼酎5杯以上、女子は3杯以上を摂取した者の割合を示す。

特に女子中高生のリスクが高く、女子は50.2%、男子は40.9%。また、高校生(49.6%)の危険飲酒率は中学生(29.3%)よりも高かった。さらに、青少年が初めて酒を飲む年齢も早期化しており、2024年時点の平均初飲酒年齢は13.0歳だった。

これを受け、関係機関は放送通信審議委員会などと協議を進め、制度的補完策と規制の必要性について議論している。健康増進開発院は「オンライン飲酒コンテンツの管理と規制には立法上の補完が必要だ。今後、放送メディア通信委員会の新設によって規制の空白地帯が解消される」と述べている。

国会保健福祉委員会所属の与党「共に民主党」のナム・インスン議員は「青少年の飲酒率上昇の背景には、メディアによる飲酒描写の影響がある。特に青少年が多く視聴する番組では問題のある飲酒場面を是正すべきだ。飲酒行為を過度に強調したり美化するコンテンツには年齢制限などでアクセスを最小限にすべきだ」と強調した。

(c)NEWSIS

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