
韓国の流通業界が次々と価格破壊型の化粧品を投入し、「超低価格ビューティー」市場での競争が激化している。
オンラインファッション大手のムシンサは自社ブランド「ムシンサ・スタンダード・ビューティー」を通じて、3900~5900ウォン(約413円~約625円)のスキンケアラインを発売。クレンジングフォームやクリーム、トナー、セラムなど計8品目をそろえた。代表商品のセラムは世界的ODM企業コスメックスと共同開発し、低価格と品質を両立させた。
一方、韓国の均一ショップ大手ダイソーは既に5000ウォン(約529円)以下の商品で「ビューティー革命」を起こしている。マスクパックは500ウォン(約53円)、リップやアイシャドウ、スキンケア商品もすべて5000ウォン(約529円)以下で販売。マモンド、トニーモリー、ドクタージー、ザ・フェイスショップなど既存の化粧品メーカーがダイソー専用ブランドを供給するほどだ。ダイソー化粧品の売り上げは2021年以降、毎年大幅に増加し、2024年には前年比144%の成長を記録した。
大型マートやコンビニも参戦している。イーマートはLG生活健康と組み、ビヨンドのセカンドブランド「グローアップ バイ ビヨンド」のシリーズを4950ウォン(約523円)均一価格で展開。発売10週で約4万個を売り上げた。コンビニ大手CU(BGFリテール運営)は化粧品ブランド・エンジェルルカと協業し、昨年基礎化粧品を発売、今年は3000ウォン(約317円)以下の色物化粧品にも領域を広げた。
業界が低価格化粧品に注力する背景には「高い利益率」と「不況下の消費傾向」がある。化粧品は利益率が高く、消費期限が長いため在庫管理も容易だ。ODM企業との提携でさらに利幅を拡大できる。加えて、物価高の中で合理的消費を志向する消費者が増え、10代・20代にとどまらず30~50代も低価格商品の主要顧客となっている。
業界関係者は「高物価時代において、低価格で品質を確保した超低価格ビューティー製品が人気を集めている。競争はさらに激しさを増すだろう」と見通した。
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