
韓国気象庁が人工知能(AI)を活用した気象予測技術の高度化に本格着手した。韓国科学技術院(KAIST)と共同開発した「AI超短期降水予測モデル」を基盤に、米エヌビディア(NVIDIA)の最新技術を導入し性能を強化する。
国立気象科学院は9月24~26日、世界気象機関(WMO)と共同で「AI超短期予測実証事業(AINPP)」ワークショップを開催した。AINPPはAIを活用して危険気象を予測し、開発したモデルを開発途上国に支援する国際プロジェクトだ。
会議では、気象庁とKAISTが共同開発したAI予測モデル「Now Alpha」が紹介された。同モデルはレーダー観測データを用い、1kmの空間解像度で6時間先まで予測可能だ。2024年7月から試験運用を経て、2025年5月からは実際の予報業務に投入されている。気象庁によれば、AI超短期予測を実務利用しているのは韓国が初めてだという。
現在、エヌビディアのAIモデル「Cosmos」を導入して予測精度を高める研究も進められている。「Cosmos」はもともと自動運転技術に応用されていたが、気象分野でも高い効果を示している。国立気象科学院AI気象研究課のイ・ヘスク課長は「Now Alphaは40秒から3分以内に6時間後の降水予測を提示できる。さらなる精度向上を目指す」と語った。
エヌビディアのジェフ・アディ主任エンジニアは「韓国気象庁の研究に深い印象を受けた。両者は専門性を共有し、積極的に協力していく」と強調した。Cosmos導入による予測は検証を経た上で実務に活用される。
海外でも大手IT企業が気象予測モデル開発を進めており、中国ファーウェイ(Huawei)の「パンゴウェザー」、エヌビディアの「フォーキャストネット」、米グーグルの「グラフキャスト」、米マイクロソフトの「オーロラ」などが代表例だ。
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