
集団暴行を止めようとした20代の男性が、逆に加害者側から「児童虐待」の疑いで告訴されるという理不尽な事件が6月6日、韓国・全羅南道のゲームセンター前で起きた。
JTBC「事件班長」によると、事件当時、現場近くにいた20代中盤の男性は、中学生の一団から「友達が高校生に殴られている。助けてほしい」との訴えを受けた。暴行の現場はゲームセンターのトイレ内だった。
男性が駆けつけると、高校1年生5人が中学2年生1人の顔や背中を集団で殴打している場面を目撃。咄嗟に男性は間に入り、「もうやめろ。今撮影してる。通報したぞ。理由もなく殴るな」と制止した。
しかし暴行は止まらなかった。加害生徒たちは「死にてえのか!」などと暴言を吐き、男性にも殴りかかってきた。その結果、男性は顔面を殴られ、3針を縫う裂傷を負い、全治2週間のけがを負った。
加害生徒と被害生徒は、もともと同じ地域で顔見知りだったという。被害生徒は近くのカラオケで歌っていたところを、理由もなく呼び出され暴行されたとされる。
男性が通報し、警察は現場に出動。加害生徒と男性の身元を確認したうえで帰った。男性が負った治療費については、加害生徒の親が支払った。
しかし、事件はそれだけで終わらなかった。加害生徒の親が、男性が暴行を止める際に「1発、手を出した」として、逆に児童虐待の容疑で告訴したのだ。
警察はこの件について「これは双方暴行に該当するが、相手が未成年であるため、男性が児童虐待の容疑で扱われている」と説明した。
この報道を受けて、韓国のネット上では怒りの声が殺到。「加害者の親だからって何をしてもいいのか」「正当防衛すら存在しない国だ」「こんな親のもとで育つ子どもの未来は見えている」「こんな親こそ実名を公開すべきだ」といった厳しい批判が続いている。
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