
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の最側近で、党組織担当書記兼組織指導部長のチョ・ヨンウォン(趙甬元)氏が再び問責を受けた可能性が浮上した。組織指導部幹部の規律違反が摘発されるなか、責任者であるチョ・ヨンウォン書記が処分対象になったとみられている。
キム総書記は9月23日、5年越しでようやく完成の運びとなった平壌総合病院を視察した。その際、工事が1年半も遅延した原因を「内閣や病院建設連合常務の幹部らの功名心による混乱」と厳しく叱責した。幹部らは国家財政規律を無視し、承認を得ないまま設計変更や規模拡大を進め、独自に募金活動をしたと指摘された。さらに「当時の不当行為には党中央委員会組織指導部の前任幹部も含まれる」と明言した。
具体的な処分には触れなかったが、規律違反を公開で糾弾したことから、関連幹部には相応の懲戒が下されたとみられる。党内の規律・人事を統括する組織指導部の責任者であるチョ・ヨンウォン書記が連座した可能性は高い。
実際、病院視察でのチョ・ヨンウォン書記の姿は異例だった。これまでキム総書記の「秘書室長」格として常に至近距離で同行してきたが、この日は距離を置いて歩く姿が捉えられた。最高人民会議(9月20~21日)でも、1日目は主席団に姿を見せず、2日目にのみキム総書記と同席した。
チョ・ヨンウォン書記はキム総書記体制下で他の幹部を圧倒する権勢を誇ってきたが、今年に入り失墜が目立つ。1月の党中央委員会拡大会議で地方幹部の不正が摘発された際も、責任者としてチョ・ヨンウォン書記が「謹慎」扱いとなり、しばらく公開活動から姿を消していた。
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