
韓国で2024年、京畿道のある飼料メーカーが製造したペットフードから基準値を超える水銀が検出されたにもかかわらず、消費者に十分に知らせていないとの指摘が出ている。ペットが家族の一員として認識される中、飼料の安全性確保と監督体制の強化が課題となっている。
共に民主党のイ・ビョンジン議員が農林畜産食品省から提出を受けた資料によれば、問題の飼料はマグロを原料とする単味飼料であり、水銀が基準値以上に検出された。ペットフードの検査結果は国立農産物品質管理院(農管院)のホームページに公表されることになっているが、2023年以降は更新がなく、企業名などの情報も「企業・個人情報保護」を理由に公開されていない。
国内の飼料メーカーは畜産用とペット用を合わせて京畿道だけでも2400社以上に達し、このうち農林畜産食品省の統計に含まれる国内メーカーは1438社にのぼる。しかし、監督を担う農管院の担当官は地域ごとに3人前後にとどまり、全数調査は実質的に不可能な状況だ。現在は主に通報や苦情に基づいてランダムに検査が実施されている。
イ・ビョンジン議員は「飼料の安全は死角に置かれており、精緻な対策が必要だ。現場対応人員を拡充するとともに、有害物質が検出された場合には国民に積極的に知らせるべきだ」と求めた。
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