2025 年 9月 29日 (月)
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「AIポルノも処罰対象」韓国で「実在人物不問」の法改正案…「AI性的画像は無罪」判決受け

(c)news1

人工知能(AI)を利用した性的画像や動画が氾濫するなか、韓国国会で「実在人物か否かに関わらずAI生成の性的映像物を処罰対象とする」法案が提出された。だが表現の自由や被害者の特定可能性をめぐって議論が続いている。

与党「共に民主党」のホ・ヨン議員は9月11日、「性暴力犯罪の処罰などに関する特例法」改正案を代表発議した。改正案はAI技術で性的映像物を制作・編集・合成・加工した場合、最長7年以下の懲役または5000万ウォン以下の罰金を科す内容だ。さらに頒布・販売・広告行為も同様に処罰し、単純な所持や視聴に対しても3年以下の懲役または3000万ウォン以下の罰金を規定している。

この動きの背景には、最近の無罪判決がある。議政府地裁高陽支部は8月、AI生成の女性ヌード画像を共有した30代男性に無罪を言い渡した。裁判所は「被害者が実在するか確認できない」と理由を説明した。現行法が「実在人物」を対象とする虚偽映像のみを規制しているため生じた立法の空白だ。

現在、SNSや動画配信サイトにはAI生成の性的コンテンツが氾濫しており、一部は有料支援や購読を通じて収益化されている。しかし現行法では、未成年を対象とした合成物は「青少年性保護法」で処罰可能だが、成人対象のAI合成物は事実上の規制空白地帯にある。

ホ・ヨン氏は「技術進歩に合わせ立法も迅速かつ精密でなければならない。AIが革新の原動力となる一方で社会的リスクにならないようにすべきだ」と強調した。

一方、実在する被害者が存在しない創作物まで刑事処罰するのは過剰規制だとの反論も大きい。

法曹関係者は「憲法上保障された表現の自由を侵害する恐れがある。より明確な規制ガイドラインが必要だ」と指摘。さらに「AI生成物か実在人物の画像かを区別するのは困難で、捜査に過度な時間と費用を要し、結果的に法執行の実効性を損なう」と付け加えた。

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