
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の開催を控えた韓国・慶尚北道の慶州(キョンジュ)で、宿泊施設や観光地の価格が急騰し、「ぼったくり」が問題視されている。10月31日から11月1日にかけて開かれる今回の首脳会議には、トランプ米大統領や中国の習近平国家主席らの来韓が予定されており、世界中から注目が集まる中、韓国観光のイメージ悪化を懸念する声が強まっている。
MONEYTODAYが首脳会議期間中の慶州地域の宿泊施設30カ所を調査したところ、すべての施設で価格が通常の3~4倍、なかには10倍以上に引き上げられていることが判明した。一部の宿泊施設では、1泊500万ウォン(約56万円)以上の料金が提示されていた。該当施設の関係者は「この価格で実際に予約を受けるという意味ではなく、直接施設に問い合わせてほしいという意味だ」と釈明している。
さらに、食堂や観光地でも料金の引き上げや追加料金の告知が相次いでいる。中には当日予約を受け付けず、「必要な場合は連絡してほしい」と案内している店舗も見られた。
観光業界では、こうした過剰な価格設定が外国人観光客の韓国に対する印象を損ない、再訪を妨げる要因になると懸念している。APEC参加国は21カ国に及び、会議を機に外国人観光客の大幅な増加が期待されている一方で、料金高騰による悪印象がその効果を帳消しにしかねないという指摘がある。
過去の例として、2005年にAPEC首脳会議が開かれた釜山では、主要観光地の訪問者数が前年の約99万人から184万人へと倍増した。今回も慶尚北道は観光客目標を300万人以上に設定し、大規模な広報活動を展開している。
こうした中、慶州市は、点検と広報に乗り出すと表明している。宿泊予約アプリにおいて、料金未入力時に最高料金が表示される仕様が誤解を招いたと説明している。チュ・ナギョン市長名義で、宿泊施設に対し「国際行事を迎えるにあたり、再び訪れたくなる都市を目指して協力をお願いしたい」との要請文も送られている。
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