
自らの救命胴衣を高齢者に渡して命を救った韓国の海洋警察官が潮流にのみ込まれ、命を落とした。仁川(インチョン)海洋警察署が9月12日、明らかにした。
同署によると、仁川付近の海域は干満差が最も大きくなる時期のため、9月6日から13日まで「危険注意報」が発令されていた。干潟で孤立する事故の発生が懸念されていたからだ。
その期間中の11日、仁川の干潟で潮干狩りをしていた70代の男性が孤立した。救命胴衣など安全装備は一切用意していなかった。
現場に駆けつけたイ・ジェソク警長(日本の巡査長に相当)は男性に潮が迫っているのを見て、自身の救命胴衣を外して着せ、泳いで避難しようとした。
しかし強い潮流にのみ込まれ、イ警長は行方不明に。約6時間後、現場から約1.4㎞離れた海上で発見され、死亡が確認された。男性は低体温症に陥っていたが、一命を取り留めた。
同署は「男性が注意報を無視して干潟に入ったのは事実だ。それだけで処罰する根拠はないが、違法性の有無を確認している」と明らかにした。
イ・ジェソク警長の告別式は15日に仁川海洋警察署で営まれ、海警は彼を1階級特進させた。
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