2025 年 9月 23日 (火)
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韓国通信大手KT「無断決済」事件、被害はさらに拡大か…海外では同様事例も

ソウル市内のKT代理店(c)news1

韓国の通信大手KT無断決済事件をめぐり、中国人容疑者らの手口に関心が集まっている。

警察と通信業界によると、KTが集計した被害者は9月18日現在362人、累計被害額は約2億4000万ウォン。1週間前の発表から被害額は7000万ウォン以上増加しており、今後さらに拡大する可能性もある。

今回の事件の特徴は、不法に利用された「フェムトセル(小型基地局)」にある。半径10m程度の通信を担う装置で、これを悪用して既存の通信網を攻撃したとみられている。KTは「動作しない“ブラックアウト・フェムトセル”を容疑者が事前に把握し、不法取得した」との見方を示している。

海外でも同様の事例は報告されている。2024年のタイでのスミッシングSMS発信、2022年の米国FRXハッキング事件、2020年の日本のNTTドコモ口座不正利用など、いずれも不法フェムトセルを利用していた。

国会資料によると、全国のフェムトセル19万5000台のうち6万4000台が不稼働状態で、その大半(約89%)をKTが占める。セキュリティ業界は「フェムトセルを無断で取得後、偽基地局を構築し不正決済をした可能性が高い」と指摘する。

警察は容疑者が言及した「背後組織」の実態解明を進めつつ、民間と合同で調査団を組織し、具体的な犯行過程を検証する。KTが実施した小額決済の全数調査結果をもとに、申告されていない追加被害者の規模も確認する。

(c)news1

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