
ソウル市が導入した水上公共交通「漢江バス」が9月18日に初運航を迎え、市民や観光客で満席となる盛況ぶりを見せた。通勤路を代替するというよりは、夕陽や夜景を楽しむ新しい交通・観光手段として注目を集めている。
午後、広津区トゥクソム船着場を出発したバスには、大学生、会社員、家族連れ、外国人観光客、ペット同伴の乗客まで多様な人々が乗り込み、橙色に染まる夕陽を背景に歓声をあげた。乗客は互いに写真を撮り合い、橋の下をくぐる瞬間には驚きの声を上げるなど、普段の地下鉄通勤では味わえない体験を楽しんだ。
ソウル市によると、定員190人の漢江バスにはこの日午後4時時点で1621人が搭乗し、平均座席占有率は86.2%に達した。一部区間では満席による遅延も発生した。
利用者の反応はさまざまだった。通勤に地下鉄7号線を利用してきた47歳の会社員は「退勤時にスマホだけ見ていたが、今日は特別な時間になった。時間が合えば通勤でも使いたい」と語った。一方、33歳の会社員は「出勤用には不安定で難しい。退勤時に使うのが現実的だ」と話した。
日本から旅行で訪れた27歳の観光客は「思ったより早く移動でき、夕陽と夜景もきれいだった。帰国したら韓国旅行のおすすめとして紹介したい」と話した。
漢江バスは麻谷~蚕室の28.9キロ区間を結び、7つの船着場を停泊する。10月10日までは午前11時から午後9時37分まで運行し、それ以降は平日午前7時、週末午前9時30分に始発を出す。一般路線の所要時間は127分、急行は82分と見込まれている。
料金は片道3000ウォンで公共交通の乗換割引が適用される。気候同行カードに5000ウォンを追加すれば漢江バスにも無制限で乗車可能だ。
一方、初日は予想以上の混雑で接岸・出発に遅延が生じ、ベビーカーの利用者が乗船に手間取る場面もあった。ソウル市未来漢江本部のパク・ジニョン本部長は「初日は満席で手作業の確認が必要となり10~15分の遅れが発生した。システム改善を進める」と説明した。
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