
韓国の自殺予防予算は、主要国と比べて極めて少ない。
日本自殺総合対策推進センターによると、2017年の日本の自殺予防予算は約751億円(当時の為替レートで約7569億ウォン)に上る。1人あたりの予算は5973ウォンであり、8年前の金額にもかかわらず、今年の韓国の1514ウォンの約4倍にあたる。
韓国政府もこの大きな格差を深刻に認識している。政府が2023年に発表した「第5次自殺予防基本計画」では、日本が2011〜2017年に投入した自殺予防予算を計3兆3000億ウォンと推計している。これは年平均約4714億ウォンに相当する。OECDの統計によると、日本の自殺率は2011年の21.4人から2021年には15.6人にまで下がった。
◇「大胆な投資があってこそ効果が出る」
安全生活実践市民連合(SAFE)のイ・ユンホ事務局長は「さまざまな自殺予防政策の新設や物価上昇率を考慮すれば、最近の日本の自殺予防予算が2017年より少なくなっているとは思えない。政府からの予算支援があるからこそ、関連活動にも積極的に取り組むことができる」と語った。
イ・ユンホ氏によると、米国には自殺予防予算に1ドルを投入した際、どれほどの効果が期待できるかに関するデータが存在するという。「韓国にはそうした研究すら存在しない。自殺統計が閉鎖的かつ断片的で、研究機能そのものが脆弱だ」。イ・ユンホ氏はこう批判する。
慶熙大学病院精神健康医学科のペク・ミョンジェ教授は、政府がかつて交通事故予防予算に大胆に投資した結果、交通事故による死亡者数を20年以上前と比べて3分の1にまで減らすことができたと指摘する。
「救急外来の生命愛危機対応センターでは人手が足りず、長期的な追跡ができない。外来診療で来ても、すべての人を入院させるわけにはいかず、自宅に戻せば家族にモニタリングを任せざるを得ないのが現状だ。英国では、自殺高リスク群が入院して退院しても、地域社会で必ず1人の担当者がつく。病院と地域社会の間で確実にバトンが渡される体制が整っている」
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