2025 年 9月 22日 (月)
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韓国「核燃料輸入依存」の終焉なるか…韓米原子力協定改正に産業界が期待感

2025年9月12日、ウィ・ソンラク(魏聖洛)国家安保室長(c)news1

韓国政府が1974年以来、核燃料の濃縮や再処理を制限してきた「韓米原子力協定」の改正を米国と協議し始めた。これにより燃料供給の安定化や使用済み核燃料管理の効率化が進む可能性があるとして、原子力業界に期待が広がっている。

韓国は現在、原子力燃料をすべて輸入に依存しており、使用済み核燃料も原発構内で保管するしかない。1974年の協定改正以降、米国の事前同意がなければウラン濃縮や再処理が禁止されてきた。2015年の再協議では研究目的での一部緩和が認められたにとどまった。

韓国の原発では主に3~5%の低濃縮ウランを使用するが、協定により国内濃縮は不可能だ。

ウィ・ソンラク(魏聖洛)国家安保室長は「協定改正に向け一定の合意と進展がある。日本と類似の形での濃縮・再処理の枠組みを望んでいる」と発言している。濃縮の自律性については前進が見られるが、再処理権限の拡大は、なお協議が必要と示唆した。

業界関係者は「濃縮権限が拡大されれば燃料コストが下がる。再処理が可能になれば使用済み燃料の減容や新型原子炉開発にも有利」と語る。ただ、長期的には高レベル放射性廃棄物の最終処分施設が不可欠だ。

使用済み核燃料の貯蔵容量は逼迫している。例えば、古里原発では93.5%に達し、来年には95%を超える見通しだ。2030年代には韓光、韓蔚、月城原発も満杯になると予測される。再処理が認められれば当面の逼迫は緩和されるが、根本的解決には至らない。

韓国政府は9月26日に施行される「高レベル放射性廃棄物特別法」に基づき、2050年までに中間貯蔵施設、2060年までに最終処分場を建設する方針だ。ただ、立地選定や住民受容性の課題が残り、時間を要するとみられる。

(c)news1

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