2025 年 12月 4日 (木)
ホーム政治北朝鮮8月は静かだった北朝鮮、9月は強硬反発…新型ICBM発射の名分作りか

8月は静かだった北朝鮮、9月は強硬反発…新型ICBM発射の名分作りか

北朝鮮が9月8日に実施した新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)用固体燃料エンジンの点火試験=労働新聞(c)KOREA WAVE

日米韓が9月15日から19日まで合同軍事演習「フリーダムエッジ」と、米韓による核・通常兵力統合机上演習「アイアンメイス」を実施する中、北朝鮮が8月の「乙支フリーダムシールド(UFS)」演習時よりも強い反発を示している。専門家らは、北朝鮮が新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星-20型」の試験発射を正当化する名分を積み上げていると分析している。

北朝鮮は9月13日、朝鮮中央通信を通じて「フリーダムエッジやアイアンメイスは危険な核戦争演習だ」と非難。翌14日には、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の妹であるキム・ヨジョン(金与正)党副部長と軍首脳であるパク・ジョンチョン(朴正天)党軍事委員会副委員長がそろって談話を発表し、「侵略戦争演習」「力の誇示」と強い表現で警告した。これは8月のUFS時に比べ、格段に高いレベルの対応だ。

背景には、キム総書記が9月初めに訪中し、中露との連携を誇示したことがある。北朝鮮はこれを機に核と通常戦力を併せた「核・通常兵力併進路線」を打ち出し、中国・ロシアから暗黙の支持を得たとみられる。

北朝鮮はすでに新型ICBM「火星-20型」の開発を公表し、9月8日には新型エンジンの開発成功を主張。早ければ10月10日の党創建80周年閲兵式で「火星-20型」を披露し、その前後に試験発射を実施する可能性が高い。これは米本土を直接狙える核戦力を実戦に近い形で示すもので、米国への最大級の挑発にあたる。

専門家は「北朝鮮は日米韓合同演習を口実に、戦術核模擬訓練や水中核兵器実験、新型ICBMの発射などを組み合わせた“パッケージ挑発”に踏み切る可能性がある」と指摘する。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular