2025 年 12月 4日 (木)
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「深刻な干ばつ」韓国江原道、水源利用の道岩ダムの放流水「大半が基準に適合」

9月10日、江原道の道岩ダム(c)news1

深刻な干ばつに直面する韓国江原道江陵市が、論争の的となってきた「道岩ダム」導水管の放流水を一時的に水源として利用する方針を決めた。精密水質検査の結果、大部分の項目が基準に適合していることが確認された。

ただ、水質悪化や悪臭の原因とされる総リン(T-P)濃度は基準を超えているうえ、20年以上閉鎖されていた導水管内部に堆積した物質の流入も懸念材料となっている。

江陵市は9月15日午後、市庁で開かれた水質検証委員会の第1回会議で検査結果を公開した。環境省による8項目検査と並行して、江陵市は重金属検出の有無など38項目を独自に調査した。

その結果、環境省と市の検査のいずれでも導水管水質はおおむね1級と判定された。代表的指標の総有機炭素(TOC)は環境省で1級a、市で1級b。藻類発生と直結するクロロフィルaも両機関で1級a、濁度を示す浮遊物質(SS)も1級aと評価された。大腸菌群など病原性細菌も検出されず、重金属や有害物質も全く検出されなかった。

一方、総リン濃度は環境省で0.041mg/L、市で0.046mg/Lと、いずれも3級水質にあたった。総リンは藻類繁殖や水質悪化を引き起こす主要因とされる。また検査対象外である導水管内の堆積物についても、実際の放流時に水質へ与える影響が不透明であることが指摘された。

この日の会議に参加した委員らは、総リンと堆積物問題を最大の懸念点として取り上げた。委員会は民間・官公庁・学界の専門家11人で構成され、委員長は江原道立大学消防環境防災学科のハン・ドンジュン教授が務める。今後は道岩ダムや導水管の水質を精査し、飲料水源としての適性や放流中断の時期を協議する予定で、17日には現地調査を実施する。

(c)news1

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