2025 年 9月 12日 (金)
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「独裁者か英雄か」朴正熙銅像をめぐり韓国・大邱で激しい対立

大邱市東大邱駅前広場に設置されたパク・チョンヒ元大統領像(c)news1

韓国大邱市の東大邱駅前広場に設置されたパク・チョンヒ(朴正熙)元大統領の銅像をめぐり、存続を求める保守勢力と撤去を主張する進歩勢力の対立が先鋭化している。

この像は第8代大邱市長を務めたホン・ジュンピョ(洪準杓)前市長の在任中、2023年に制定された「大邱市パク・チョンヒ記念事業条例」に基づき設置された。産業化を主導したパク・チョンヒ政権の功績をたたえる目的で、同条例には保守系「国民の力」所属議員31人全員が賛成し、野党・共に民主党のユク・ジョンミ議員だけが反対票を投じた。

大邱市は広場の名称を「パク・チョンヒ広場」と改め、2024年12月に像を建立。しかし進歩系市民団体や、パク・チョンヒ政権時代の「人民革命党事件」被害者・遺族らは「独裁者の偶像化」と激しく反発してきた。

その後、ホン・ジュンピョ氏の辞任と市民の「記念事業廃止条例」住民請求によって事態は新局面を迎えた。条例が廃止されれば像撤去の法的根拠となる可能性がある。

東大邱駅広場の所有権をめぐっては大韓民国国家鉄道公団と大邱市の間で訴訟が進行中であり、廃止条例の可否が裁判にも影響を及ぼすとの見方が出ている。

市民1万4000人余が署名した廃止条例案は2025年5月に提出され、9月の臨時会で議論されたが、常任委員会では国民の力所属議員の反対多数で否決。しかし、住民請求による条例は本会議に必ず上程されるため、最終判断は9月12日の本会議で下される。

(c)news1

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