
オンラインを中心に世界で存在感を高めてきた韓国コスメ(K-ビューティー)が、日本と米国でオフライン流通網の攻略に力を入れ始めている。米国の化粧品市場規模は約172兆ウォンに達し、そのうち7割以上がオフラインで消費されていることから、店頭販売を通じたシェア拡大が不可欠との認識が背景にある。
K-ビューティー企業のダルバグローバルは、米国のコストコと約29億6000万ウォン規模の供給契約を締結。すでに人気商品「スチュワーデスミスト」などで知られており、今後はアルタ・ビューティやターゲットなどの大手流通網への入店も推進中だ。日本市場でもマツモトキヨシなどのバラエティショップを通じ、現在は約2800店舗に展開しており、年内には4000店舗への拡大を目指す。
上場企業のエイピアルも、「メディキューブ」ブランドを軸に、米国のアルタ・ビューティと契約を締結。5月に22品目の供給を決定し、3月には日本のドン・キホーテにも進出。年内には日本国内で3000店舗規模のオフライン展開を計画している。
また、「コリアンビューティ」を欧米に広めてきたグダイグローバルは、代表ブランド「朝鮮美人」を7月に米セフォラへ入店させ、欧州では英国の大手ドラッグストアブーツに進出済みだ。
スキンケアブランド「アヌア」を展開するザ・ファウンダーズも、米アルタ・ビューティーの全米1400店舗に進出し、英国ブーツでの展開店舗を半年で120店から470店に拡大した。
韓国国内市場は、高速インターネットと配送インフラに支えられオンライン消費が定着しているが、米国や日本では依然として「現物を確認して購入」するオフライン消費の比率が高い。調査によれば、米国化粧品市場のオフライン販売比率は2023年時点で71.2%、日本の化粧品分野におけるEC比率も8.24%にとどまっている。
業界関係者は「韓国化粧品はコロナ禍を経て米国のEC成長に乗じて国際市場に浸透したが、30〜40代の主要消費層は依然としてオフラインへの依存度が高い。日本と米国を本格的に攻略するには、店頭販売網の確立が必須」と強調している。
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