OTTの絶対的な強者は現在、米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)。ただ、今後は韓国内外の展望が分かれる。特に後発走者のディズニー公式動画配信サービス「ディズニープラス(Disney+)」の場合、韓国では低調な半面、米本国とウォール街ではかえって高い成長性が認められている。
ブロックチェーン企業「トゥナム(DUNAMU)」の証券アプリ「証券プラス」が2月第3週に実施した「グローバルOTT対戦の勝者は?」というアンケート調査で、回答者の72.5%は「ネットフリックス」、27.5%は「ディズニープラス」を選んだ。
実際、ディズニープラスは昨年11月、韓国上陸当時の期待に反して数カ月間苦戦している。アイジーエイワークス(IGAWorks)のモバイルインデックスによると、今年1月のディズニープラスMAU(月間アクティブユーザー数)は201万人で、ネットフリックス(1241万人)の6分の1水準にとどまった。
しかし、視線を両サービスの本拠地である米国に向けると評価が異なる。まず株価の流れがまったく違う。ネットフリックスの今月18日の株価は391.29ドル(終値)で、1カ月前の1月18日の510.80ドルに比べ23.4%下落した。特に、業績発表直後の先月21日には前日対比21.8%も落ち込み、投資家を唖然とさせた。
一方、ディズニーの18日の株価は151.36ドルで、1カ月前(152.27ドル)と大差ない。また、業績発表直後の今月10日は前日比4.9%上昇し、ネットフリックスとは対照的な様相を見せた。
ウォール街の視線も同じだ。ネットフリックスについては「オリジナルコンテンツ制作に数十億ドルを費やしており、その先が見えない」「米国とグローバル市場の競争はますます高まっている」などの否定的な見方が広がる。一方、ディズニープラスについては「米国と海外ともに成長可能な余地が大きい」「オリジナルシリーズが膨大だ」などの評価だ。
加入者規模も依然として、ネットフリックスは昨年末基準で約2億2000万世帯と、約1億3000万人の「ディズニープラス」を大幅に上回っている。だが、ディズニープラスが2019年11月にサービスを開始してからわずか2年だということを考慮すれば、無視できない成長スピードだ。
ディズニーが膨大なオリジナルIP(知的財産権)をもとに、より効果的に影響力を拡大している点も注目すべきだ。最近、ディズニープラスの最大ヒット作だった「マンダロリアン」(The Mandalorian)はスターウォーズの最初の実写ドラマで「ブラック・ウィドウ」(Black Widow)もマーブルシネマティック・ユニバース(MCU)から派生した作品だ。独自のオリジナルIPのだけでも最小限の興行が保障されるわけだ。
ディズニーアニメ「エンカント:魔法の世界」のオリジナルサウンドトラック(OST)収録曲、「口にするなブルーノ」(We Don’t Talk About Bruno)が最近ビルボード「ホット100」トップになったのもディズニープラスの破壊力を見せてくれた出来事だ。
「エンカント」は昨年11月の封切当時は、新型コロナのオミクロン株流行で比較的平凡な興行記録だった。クリスマスシーズンにディズニープラスで公開され、大きな人気を集め、OSTがビルボードで「逆走行」した。 ディズニーCEO(最高経営責任者)のボブ・チャペック氏は「エンカント」の例を挙げて「劇場だけがディズニーフランチャイズを構築する唯一の道ではない」として、OTT投資に肯定的な立場を明らかにした。
ディズニープラスの韓国市場攻略も加速化している。今年25本以上の韓国オリジナル作品を予告したネットフリックスのように、ディズニープラスの韓国コンテンツで国内視聴者を攻略する。最近公開された「警察授業」に続き、ミステリーSFジャンル「グリッド」が今月16日に公開された。また、制作費500億ウォン規模のチョ・インソン主演ヒーローフィクション映画「ムービング」はディズニープラス今年最高の期待作だ。
©MONEY TODAY