
韓国では秋夕(チュソク)を約1カ月後に控え、生活必需品の価格上昇が庶民の家計を圧迫している。祭祀膳に欠かせない卵や白菜、米、豚肉などが相次いで値上がりし、「庶民の懐」への負担が大きくなっている。
畜産物品質評価院によると、9月7日時点で卵1パック(30個入り)の小売価格は7041ウォン(約745円)。昨年(6309ウォン=約667円)より11.6%、平年(6413ウォン=約678円)より9.8%高い水準だ。卵価格は5月に7000ウォン(約741円)台に乗せた後、高止まりが続いており、秋夕需要期には一層の上昇が懸念される。
農業観測センターの予測では、9月の産地価格(特卵10個基準)は1900〜1950ウォン(約201〜207円)と、前年より最大15.7%高い。10月の予測値も昨年より大幅に高く、秋夕期の値上がりは避けられない見通しだ。
白菜も7日時点で1玉6989ウォン(約740円)と前年より1.7%、平年より2.9%上昇した。7月中旬に7000ウォン(約741円)台を突破した後、異常高温と江原道嶺東地域の干ばつの影響で値下がりの兆しが見えない。
米価も上昇基調だ。20キロ当たり6万927ウォン(約6430円)と、心理的抵抗線とされる6万ウォン(約6348円)を超えた水準を維持している。豚肉も100グラム当たり2824ウォン(約299円)で、前年より7.6%、平年より7.9%高い。
こうした状況に政府も対策を打ち出している。農林畜産食品省は当初9月から導入予定だった産卵鶏の飼育面積拡大義務(1羽当たり0.075㎡)を、卵価格上昇を考慮し2年間延期することにした。また、2024年15万3000トンだった秋夕向け農畜産物供給量をさらに拡大し、対象品目も14種から15種へ増やす。
大手マートでは米20キロ当たりの割引幅を3000ウォン〜5000ウォン(約317〜529円)に拡大。白菜、りんご、梨、牛肉、豚肉などの供給量も過去最大規模に引き上げる。
農林畜産食品省関係者は「新米が市場に出回る10月以降は米価も落ち着く見込み。白菜などの野菜や果物の作柄も比較的良好だが、牛肉や豚肉は依然高値のため、供給拡大で安定化を図る」と説明した。
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