
韓国の中堅ゲーム会社PangSkyが、米IT大手グーグルとアップルを相手取り、米カリフォルニア北部連邦地裁にインアプリ(アプリ内)決済手数料をめぐる集団調停を申請した。背景には、最大30%に達する「通行税」とも呼ばれる手数料が業界の存続を脅かしている現実がある。
イ・ビョンジン代表は「10年で約70億ウォン(約7億7000万円)の手数料を支払い、従業員は30人から6人に減った」と語り、経営悪化の原因がインアプリ手数料にあることを強調した。PangSkyは「Dragon Raja Origin」や「ベストリア戦記」で知られる。かつて100人規模だった人員は大幅に縮小した。
韓国では「インアプリ決済強制禁止法」が施行されたが、グーグルとアップルは外部決済でも最大26%の手数料を課しており、決済代行業者の手数料を加えれば従来以上の負担になる場合もある。PangSkyはこれを問題視し、訴訟に踏み切った。
イ・ビョンジン代表は「最初は報復が怖くて迷ったが、権利があると知った以上、ためらう理由はなかった」と明かした。さらに「中小・中堅企業はグーグルの手数料とマーケティング費用で負担が重く、ゲームが失敗すると致命的な損失になる」と述べ、大手ゲーム会社にも訴訟に参加してほしいと呼びかけた。
米ハウスフェルドのクリストファー・レブソック上級パートナー弁護士は「二社の市場支配力は不均衡と歪みの原因だ。反競争行為は社会全体に害を及ぼす」と批判し、報復の可能性についても「米国では厳格に違法とされる。もし発生すれば法的に対処する準備がある」と語った。
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