2025 年 9月 2日 (火)
ホーム政治北朝鮮米韓首脳会談で再び注目「トランプの口と耳」…“知られざる英雄”と呼ばれる韓国語通訳官

米韓首脳会談で再び注目「トランプの口と耳」…“知られざる英雄”と呼ばれる韓国語通訳官

2025年8月25日(現地時間)、ホワイトハウスで開かれたイ・ジェミョン大統領とトランプ大統領の首脳会談で、トランプ氏の発言を韓国語に通訳するイ・ヨンヒャン米国務省通訳局長(c)news1

米首都ワシントンのホワイトハウスで8月25日開かれた韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領とトランプ大統領の首脳会談で、通訳として登場した米国務省のイ・ヨンヒャン通訳局長が注目を集めた。

イ・ヨンヒャン氏はこの日、トランプ氏の右隣に座り、途切れず長く話すトランプ氏の発言を的確かつ明瞭に韓国語へと訳した。アイボリー色のジャケットに縁なしメガネという姿で、ノートパッドにメモを取りながらの通訳は、長年の経験を物語っていた。

イ・ヨンヒャン氏は2014年、オバマ大統領(当時)の訪韓、2022年のバイデン大統領(同)と韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領(同)の会談など、保守・革新を問わず、歴代のアメリカ大統領の外交現場で活躍してきた「顔なじみ」の存在だ。2018年6月にシンガポールで開かれた米朝首脳会談では、トランプ氏の通訳を務め、「トランプの口と耳」と呼ばれたこともある。アメリカの時事週刊誌「タイム」は、彼女を「知られざる英雄(unsung hero)」と称賛している。

韓国で生まれ育ったイ・ヨンヒャン氏は、父親の駐在に伴いイランで国際中学校に通った。延世大学では学内の英字新聞に関わったが、特筆すべき通訳経験はなかった。2人の子どもを育てながら33歳で韓国外国語大学通翻訳大学院に入学。その後、通訳の道を志し、夫が多国籍企業に勤務する中、1人で子ども2人を連れてアメリカへ移住し、通訳者としてのキャリアを築いた。

バイデン政権下では、ブリンケン国務長官が2022年にイ・ヨンヒャン氏を「外交通訳チームに欠かせない存在で、彼女とそのチームなしでは仕事は成り立たない」と評価。「単なる語彙の翻訳にとどまらず、話者の語調や強調点まで再現できる」とその実力を称えた。

これまでに彼女が通訳を担当した人物には、ブッシュ、オバマ、バイデンの歴代大統領に加え、クリントン国務長官、ボズワース対北朝鮮政策特別代表、映画監督スティーブン・スピルバーグ、マイクロソフト共同創業者ビル・ゲイツの各氏が名を連ねる。

(c)MONEYTODAY

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