
北朝鮮が8月23日に試射した新型地対空ミサイルが、過去の軍事パレードで公開されたロシア製「Tor(トール)」地対空ミサイルの複製である可能性が指摘されている。
朝鮮中央通信によれば、北朝鮮ミサイル総局は同日、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の立ち会いのもとで改良型の地対空ミサイル2種を試射し、巡航ミサイルなどの空中目標を撃墜したと報じた。ただし性能や仕様については具体的に明らかにしなかった。
軍事専門記者出身である韓国野党「国民の力」所属のユ・ヨンウォン議員は「北朝鮮が地対空ミサイルによる巡航ミサイル迎撃の映像を公開したのは初めてだ。過去の閲兵式で披露された『北朝鮮版Tor』とみられる」と述べた。
さらにユ議員は「このミサイルは発射管から空中に飛び出した後に点火し、方向転換するコールドランチ方式であり、ロシア製TorやS-300と同様の発射メカニズムだ。北朝鮮がウクライナ戦争への派兵の見返りとしてロシアから技術支援を受け、それを改良した可能性がある。従来は迎撃失敗率が高かったが、今回巡航ミサイル迎撃に成功したと推測される」と解説した。
韓国軍合同参謀本部は今回の発射を事前に察知し、追跡・監視していたと発表。「23日午前、南浦一帯での北朝鮮の訓練および兵器開発動向を追跡した。詳細な性能は韓米情報当局が現在分析中だ」と説明した。
(c)news1