
韓国江原道江陵市で過去最悪の渇水が続き、最大の飲料水源である梧鳳(オボン)貯水池の貯水率が8月24日時点で17.7%にまで低下した。平年の69.4%を大きく下回り、このままでは20日ほどで供給が限界に達するとの見通しが示されている。
韓国農漁村公社によると、江陵市は8月20日から水道メーターを50%閉める「制限給水」を実施している。しかし降雨がない上に夏休みシーズンで観光客が増え、効果はほとんど現れていない。貯水率が15%を下回れば、家庭の水道メーターを75%閉め、農業用水の供給を全面停止する段階に入る計画だ。
生活への影響はすでに顕著にあらわれている。市内の公営プール3カ所は1カ月前から営業を停止し、公衆トイレも週の半分程度閉鎖されている。飲食店では浄水器の使用をやめ、500ミリリットルのペットボトル水を客に提供している。ある飲食店関係者は「調理や洗い物には水が不可欠なので、せめて飲料用を節約している」と語った。
市民や観光客の間でも不安が広がっている。SNSには「雨が降らないと大変なことになる」「江陵に雨が降るよう祈ろう」といった書き込みが並ぶ一方、「行政の対応が遅すぎる」「観光客の増加で市民が余計に苦しんでいる」といった批判も出ている。
江陵市長は「30年以上江陵に住んでいるが、今年ほどの深刻な渇水は初めてだ。今回を教訓に中長期の水資源対策を必ず整える」と述べた。
(c)news1