2025 年 8月 25日 (月)
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韓国造船3社「ドック満杯」稼働率100%超…海外拠点確保で中国に対抗

HD現代ベトナム造船ヤード=HD現代提供(c)news1

韓国の造船大手3社がフル稼働状態を超える「ドック飽和」に直面し、東南アジアなど海外拠点の拡大に乗り出している。造船業界は2022年頃から続く「スーパーサイクル(超好況期)」の波に乗り、国内設備だけでは受注を処理しきれない状況にある。各社はベトナムやフィリピン、ブラジルなどに拠点を広げ、原価競争力を強みに中国との競争を意識した戦略を打ち出している。

HD現代の中間持株会社・HD韓国造船海洋は、ベトナム中部の斗山エナビリティベトナムを約2900億ウォンで買収する契約を締結した。ここを液化天然ガス(LNG)やアンモニア燃料推進船の独立型燃料タンク生産拠点、港湾クレーン事業の拠点として活用する。環境対応船の需要急増により、韓国国内の生産能力だけでは不足しているためだ。

またHD現代は、フィリピン・スービック造船所で今年第4四半期から中大型タンカー建造を始める。これまで船体ブロック製作や保守事業にとどまっていたスービックを本格的な生産拠点へと格上げする。さらに1996年から合弁で運営してきたHD現代ベトナム造船所については、現行50年の運営期間を70年に延長するようベトナム側に要請した。

一方、ハンファオーシャンは米国やシンガポールに続き、ブラジルでも造船協力拠点を模索。米国造船会社フィリー造船所、シンガポールの海洋プラントメーカー・ダイナマックを買収したほか、豪州の防衛造船企業オースタルの持分も拡大している。

サムスン重工業もベトナム国営企業ペトロベトナムと協力し、現地施設でタンカーやケミカル船を建造する構想を進めている。

現在、HD韓国造船海洋の稼働率は107.6%、ハンファオーシャンは101.2%、サムスン重工業は116%と、いずれも100%を大きく上回る。能力を超える生産が続いており、海外生産拠点の必要性が高まっている。

業界は、ベトナムやフィリピンといった新興国での生産拠点を活用することで、人件費の高い韓国国内での建造が難しい低価格船種を補完し、中国依存度を下げながら競争力を確保できると見込む。

(c)news1

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