2025 年 8月 24日 (日)
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サービスの基本からマーケティングまで…韓国カカオペイ、AI 活用を全面拡大

AIインフルエンサー「情緒不安定キム・ハムちゃん」(c)news1

韓国カカオペイが人工知能(AI)の活用範囲をサービス領域にとどまらず、マーケティング分野へも本格的に拡大している。これまで金融サービスの高度化を目的にAI導入を進めてきたカカオペイは、最近ではAIインフルエンサーとの協業といった新たなマーケティング手法で注目を集めている。

カカオペイによると、同社は海外決済キャンペーンの一環としてAIインフルエンサー「情緒不安定キム・ハムちゃん」とコンテンツを制作した。キム・ハムちゃんが東京を旅行しながらカカオペイの海外決済サービスの利便性を体験するという内容のYouTube動画は公開直後から話題を呼び、3本合計で144万回以上再生された。

単なる広告の一方的な情報伝達ではなく、AIインフルエンサー固有の世界観やファン層を活かし、ブランドストーリーを再解釈して消費者に新鮮かつ共感を呼ぶメッセージを届けた点が評価されている。今月中にはキム・ハムちゃんのキャラクターを用いたグッズイベントも実施し、ファン層の取り込みを最大化する。

一方、カカオペイは実際の金融サービスにもAIを拡張中だ。独自に軽量化した大規模言語モデル「Pay AI」を開発し、順次サービスを公開している。「Pay AI」は小規模パラメータにより、企業固有データを深く学習し、専門的かつ的確な回答を提供できるよう設計されている。

今年6月には第1弾として「AIで健康管理」をリリース。健康診断データを基に疾病リスクを予測し、個別に最適化された健康・保険相談を提供している。今後は保険に続き、決済など各金融分野に特化したAIサービスを展開し、それらを統合した「金融AIエージェント」へと進化させる長期ビジョンを描いている。

特に最近発表した「決済MCP(Model Context Protocol)」と「エージェントツールキット」は、この構想を支える中核技術だ。MCPはAIエージェントと数百万件規模の取引APIを安全かつ標準化された方式で連携する技術であり、ツールキットは「決済リンクを作って」といった自然言語だけで簡単に決済機能を実装できるようにする。

カカオペイ関係者は「AI技術を活用してサービスの本質的な競争力を強化する一方、マーケティングでは消費者との新しいコミュニケーション手段を創出し、フィンテック産業の革新を牽引していく」と述べた。

(c)news1

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