
韓国内外のオンラインショッピングプラットフォームで偽ブランド品の流通が拡大する中、被害に遭った消費者の58.6%が「返金手続きが複雑」という理由で補償を諦めたことが分かった。
韓国消費者院によると、2022年1月から2025年2月までの約3年間に、消費者相談センター1372や国際取引消費者ポータルに寄せられた主要オンラインプラットフォームの偽ブランド品関連相談は計1572件に達した。
品目別ではバッグが330件(21%)で最多、以下スニーカー228件(14.5%)、化粧品196件(12.5%)、オーディオ機器171件(10.9%)、衣類147件(9.4%)の順となった。特にバッグ関連は増加傾向が顕著で、高級海外ブランド品に集中していた。
消費者院が国内外の主要プラットフォーム8カ所で販売される商品147点を調査したところ、アリエクスプレスやテムなどの海外ECで販売されていた40点のうち29点(72.5%)が公式サイト価格の2割程度で販売されていた。
また、ネイバーバンドやインスタグラムなどSNSでは、投稿27件のうち14件(51.8%)に「正規品級」といった偽物を暗示する表現が見られ、18件(66.7%)は非公開会員制チャンネルを運営したり、カカオトークなどを通じた外部取引を誘導していた。
調査対象の8プラットフォームすべてで偽ブランド品の通報は可能だったが、4カ所では通報方法が外国語で表記されていたり説明が不明確だったりして、消費者が実際に利用しにくい状況だった。
さらに、偽ブランド品と知らずに購入した消費者500人のうち、約半数の245人は「正規品かどうか確認せず」購入しており、その理由として90人が「オンラインプラットフォームを信頼していた」と答えた。
偽物と知らずに購入した293人は、その後偽物と判明しても返金を要求しなかった。主な理由は「返金手続きが複雑で時間がかかる」だった。
一方、偽ブランド品と知りつつ購入した消費者500人のうち342人(68.4%)は「法的に問題があるとは思わなかった」と回答しており、意識の低さが浮き彫りとなった。
消費者院は調査結果を関係省庁と共有するとともに、事業者に対して▽ショッピングモール内での偽ブランド販売防止策の整備▽SNSにおける偽ブランド関連キーワードの使用制限▽通報方法の事前案内──などを要請する方針だ。
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