2025 年 8月 20日 (水)
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韓国サムスン、米関税で「ひとり負担」の懸念も…スマホ価格上昇、「アップルとの差」広がる可能性

トランプ米大統領(c)Reuters/news1

トランプ米大統領が近く「半導体関税」の発動を予告したことで、米国市場でのスマートフォン販売に影響が出るとの懸念が高まっている。スマートフォンやタブレット、PCなど、半導体を搭載する完成品にも関税が適用される可能性があり、サムスン製スマートフォンの価格が上昇する懸念が強まっている。一方、米国内に生産拠点を持つアップルは関税免除を受ける見通しで、両社の格差が広がる可能性も指摘されている。

ロイター通信などによると、トランプ大統領は8月15日(現地時間)、プーチン露大統領との首脳会談に向けた出発の際、今後2週間以内に半導体に関税を課す意向を明らかにした。

米商務省は現在、通商拡大法232条に基づく調査を進めている。同条項は、特定品目の輸入が米国の国家安全保障に脅威を与えると判断される場合、大統領に関税を課す権限を付与するもの。トランプ氏は「輸入半導体に100%の関税をかける」と述べつつ、米国内に生産設備を持つ企業には免税措置をとる方針を示しており、サムスン電子には一定の安心感が広がっている。

サムスンはテキサス州オースティンにファウンドリー(半導体の受託生産)工場を運営しており、同州テイラーに建設中の新工場も来年完成予定だ。しかし、完成品であるスマートフォンなどが関税の対象となるかどうかは不透明なままだ。

サムスン電子のパク・スンチョル最高財務責任者(CFO)は、第2四半期の決算発表の場で「米商務省による232条調査の結果を注視している。スマートフォンやPCなど完成品も対象に含まれるため、当社の事業への影響は小さくない」と述べた。

スマートフォンに高率の関税が課されれば、サムスン電子には大きな打撃となる。ライバルのアップルは今後4年間の米国内投資額を既存の5000億ドルから6000億ドルに増額すると発表し、関税免除を受ける可能性が高い。

本来、関税は中国での生産比率が高いアップルを狙った“アップル税”とも呼ばれていたが、結果的にサムスンだけが打撃を受ける可能性がある。

調査会社カナリスによると、今年第2四半期の米スマートフォン市場におけるサムスンのシェアは31%で、前年同期から8ポイント上昇。一方、アップルは56%から49%に低下した。出荷台数でもアップルが1,330万台で11%減、サムスンは830万台で38%増を記録した。

また、「Galaxy Z Fold 7」は米国での予約販売で歴代最多の販売数を記録するなど、フラッグシップモデルでも好調だ。

しかし、スマートフォンへの関税が現実となれば、こうした成長にブレーキがかかる。来年にはアップルも折りたたみ式スマホ(フォルダブルフォン)を投入予定で、サムスンが価格競争力で不利になる可能性もある。

一方、サムスンにもアップル同様に関税免除の可能性が残されているとの見方もある。サムスン証券のイ・ジョンウク研究員は「政府が企業別に関税を課すのか、あるいは免税対象の半導体を搭載した製品も免除するのかが最大の焦点だ」と指摘した。

(c)MONEYTODAY

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